首都圏を中心に店舗を展開するスーパーマーケット「ベルク」(本社、埼玉県鶴ヶ島市)は10月19日までに、レジ従業員が座りながら業務ができる「レジ従業員専用椅子」を全147店舗で導入しました。社内アンケートでは、レジ担当者の身体的負担が軽減していることがわかりました。
同社はレジ業務について「長時間にわたる立ち仕事が中心であり、従業員の足腰への身体的負担が大きな課題となっていた」とし、2023年12月から一部店舗で試験的に導入。従業員への聞き取りや効果の検証を重ねてきました。
椅子に座りながらのレジ打ちに、当初は戸惑った従業員もいましたが、「体が疲れにくくなった」「腰痛を患っているので、少し楽になった」「手が空いたときに座ることができていい」「継続してほしい」などの反応があり、来店客からは「座れるようになってよかったね」と声をかけられることもあったといいます。
効果が見込まれたため、全店での運用に踏み切り、10月中旬までに147店舗への導入を完了。椅子はいくつかの候補の中から、安定感があり、高さが調整でき、長時間座っても疲れにくいものを選び、椅子に合わせてレジ台の改修も行いました。
社内アンケート調査では、身体的負担の軽減を実感している従業員は全体の約70%に。特に負担が軽減した体の部位を尋ねると、足(下部)と腰と回答した従業員が断トツでした。また、ストレスや精神的な負担も約56%の従業員が軽減を実感したと答えました。
今年2月には安全な職場づくりの取り組みが評価され、厚生労働省が主催する「2024年度 SAFEアワード」の安全な職場づくり部門のゴールド賞を受賞しました。
同社では、従業員の働きやすさの向上は、離職率の低下や人材の安定確保にもつながるとし、「結果としてお客さまに対するサービス品質向上へとつながるものと確信しております」と話しています。
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同社の取り組みはネット上でも話題に。「いい試み」「海外のスーパーみたい」「全国に広がってほしい」「従業員を大切にしてる」「好感持てる」「立ちっぱなしは大変」「ずっと立っている必要はない」などの反響がありました。