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【同じ予算で選ぶなら?】新車ヴェゼル VS 中古エクストレイル 燃費・装備・走行性能の差で見えた本当の“お得”

村田 創(norico by ガリバー) 村田 創(norico by ガリバー)

中古車とはいえ、2020年式以降のT32型エクストレイルは文句なし

▽6.安全装備&運転支援機能の比較

・新車ホンダ ヴェゼル(RV系)の評価は4.0
・中古車日産エクストレイル(T32型)の評価は3.5

ヴェゼル(RV系)は、2021年に登場した比較的新しいモデルであることから、運転支援機能を含む予防安全装備が非常に充実しており、国産コンパクトSUVの中でもトップクラスのレベルにある。

ホンダ独自の運転支援システム「ホンダセンシング」は、高性能な単眼カメラを採用。衝突軽減ブレーキ(CMBS)や前後方向の誤発進抑制機能、渋滞追従機能付きアダプティブクルーズコントロール(ACC)など、9つの機能をパッケージ化されている。

さらに、2024年のマイナーチェンジでは以下機能の性能が向上。

・衝突軽減ブレーキ(CMBS)
・路外逸脱抑制機能
・渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)
・車線維持支援システム(LKAS)

また、新機能として以下が追加された。

・トラフィックジャムアシスト(渋滞運転支援機能)
・急アクセル抑制機能
・アダプティブドライビングビーム

対するエクストレイル(T32型)は2015年の一部改良で、自動ブレーキ(エマージェンシーブレーキ)を全グレードに標準装備。2017年のマイナーチェンジでは、高速道路走行時に、アクセル・ブレーキ・ステアリングの操作を自動制御する「プロパイロット」が搭載された。

さらに2020年の一部改良では、これまでの単眼カメラに加えてミリ波レーダーを新たに採用し、運転支援機能の精度が大幅に向上。夜間の視認性も高まり、衝突回避支援機能「インテリジェント エマージェンシーブレーキ」や、プロパイロットの制御性能も向上している。

また、「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」は、新たに全車標準装備している。前方を走行する2台前の車両を検知し、自車の回避操作が必要と判断した場合には、警報によってドライバーに注意を促す機能だ。この「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」は日産独自の機能で非常に効果が大きいので、高評価としたい。

予防安全装備は技術革新が著しい分野であるため、エクストレイル(T32型)の中古車を選ぶ際には、2020年の一部改良後モデルを選ぶと、より安心して運転できるだろう。

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街乗り中心ならヴェゼル。オフロードも走行するならエクストレイル

▽7.走行性能の比較

・新車ホンダ ヴェゼル(RV系)の評価は4.0
・中古車日産エクストレイル(T32型)の評価は3.5

ヴェゼル(RV系)とエクストレイル(T32型)のパワートレインのスペックは以下のとおり。

【ヴェセル(RV系)1.5Lハイブリッド】
・最高出力106ps、最大トルク127N・m
・モーター最高出力131ps、最大トルク253N・m

【ヴェセル(RV系)1.5L直列4気筒DOHCエンジン】
・最高出力118ps、最大トルク142N・m

【エクストレイル(T32型)2.0Lハイブリッド】
・最高出力147ps、最大トルク207N・m
・フロントモーター最高出力41ps、最大トルク160N・m

【エクストレイル(T32型)2.0L直4エンジン】
・最高出力147ps、最大トルク207N・m

<ヴェゼル:クラストップレベルの質の高い走りを実現>

ヴェゼル(RV系)の1.5Lハイブリッド「e:HEV」は、基本的にエンジンで発電し、モーターで走行するシリーズハイブリッドシステム方式を採用している。モーターの最大トルクは253Nmと非常に高く、日常走行では常に力強い加速を体感できる。また急激なトルク変化を抑える制御がなされており、ガソリン車日会自然な加速感も魅力となっている。

一方で1.5Lガソリンエンジンモデルは最高出力118ps、最大トルク142Nmを発揮。必要十分なパワーを持ち、街中走行では不満を感じることが少ない。だが、急な上り坂などでやや力不足に感じる場面もある。

走行性能の面では、2024年の一部改良で2WDのハイブリッドモデルの制御最適化や、サスペンションのダンパー減衰力の見直しなどが実施されており、乗り味にさらなる磨きがかかっている。実際に走行してみると、ハンドリングの精度や静粛性は従来よりも明らかに向上しており、ワインディングの下り坂でも思い通りのラインをトレースできる感覚が得られる。まるで自分のドライビングスキルが向上したかのように感じられる仕上がりだ。

高速道路では、ホンダセンシングの「全車速追従式クルーズコントロール」を作動させて走行。先行車との追従や再加速のタイミングもドライバーの感覚に近づいており、安心感が高まっている。また、EV走行領域が広がったことで、実用燃費の向上にも繋がっている。

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<エクストレイル:質の高い4WD制御により、どんな路面状況でも抜群の安定感を発揮>

エクストレイル(T32型)4WD車は、質の高い電子制御システムによって、どんな路面状況でも安定した走行性能を実現している。中でも「インテリジェントライドコントロール」は、エンジンやブレーキの制御を通じて、路面状況に応じた乗り心地と安定性を自動的に向上させるシステムだ。

また、「インテリジェントエンジンブレーキ」は、コーナリング時や減速時にエンジンブレーキを適切に作動させることで、ドライバーの負担を軽減し、スムーズな挙動を実現している。

4WDシステムには「インテリジェント4×4」を採用。走行中の路面状況や車両挙動に応じて、コンピューターが前後のトルク配分を100:0から約50:50まで瞬時に切り替え、滑りやすい路面でも高いトラクション性能を発揮する。4WDシステムは軽量化も図られており、4WDによる燃費悪化を最小限に抑えている点も魅力のひとつだ。

「インテリジェント4×4」は、ドライビングの楽しさよりも安定性を優先した制御が特徴。タイヤを意図的に滑らせて走行を楽しむような4WDとは異なり、滑らせないことを最優先に設計されている。万が一スリップした場合でも、瞬時にグリップを回復するように制御が働くため、運転に不慣れな人でも安心して雪道やぬかるんだ道を走行できる、信頼性の高いシステムと言える。

走りの質感では新しいヴェゼルが優位。悪路走破性ではエクストレイルに軍配

両車のハイブリッドモデルを比較すると、走りの質感、すなわち加速の滑らかさや静粛性、ハンドリングといった面では、設計の新しいヴェゼル(RV系)が一歩リードしている印象だ。クラスが異なるため一概には比べにくいが、日常走行の快適性という点ではヴェゼルが優位に立つ。

一方で、悪路走破性ではエクストレイル(T32型)がやや優勢と見られる。ヴェゼル(RV系)4WD車の最低地上高は170~180mmであるのに対し、エクストレイル(T32型)は200~205mmと、約20~35mmの差がある。この最低地上高の差はぬかるみや雪道、未舗装路といった悪路を走行する際に、下回りの干渉リスクや通過性能に直接関係してくる。

もちろん、悪路走破性は最低地上高だけでは判断できないが、アウトドアシーンや積雪地帯での使用を想定するなら、エクストレイルの方が安心感があると言えるだろう。

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