意外な依頼主の登場で「月化粧」が誕生
しかし、お土産には賞味期限という大きな壁があるため生菓子には向かない。啓一さんは20年間、なかなか自社土産の開発に踏み切れずにいました。そんな中、2009年に意外な相手から「日持ちがするお菓子を作って欲しい」と依頼の電話がかかってきました。
その電話の相手は、関西国際空港の物販を担当する会社。
元々関西国際空港とは青木松風庵との距離が近いことから長年の取引きがあったのですが、国内外の観光客増加に伴い「日持ちがするお菓子を作ってほしい」と依頼が舞い込んできました。この依頼により、いよいよ長年の夢だった“日持ちがするお菓子作り”に着手することになったのです。
和菓子は年配層が好むものですが、空港に訪れるさまざまな年齢層のお客さんに向けたものを考えます。商品自体は年配層に好まれる饅頭ですが、子どもが好きな味にすることに。
そこで使うことにしたのがあの苺大福にも使った自家製の白あん。
こうして味と中身は決まりましたが、最大の問題は保存期間でした。
日持ちをさせるには「保存料を使う」「水分量を減らす」「糖度を上げる」方法があります。しかし「月化粧」をはじめ「青木松風庵」では、保存料を使用しないことにこだわっていました。保存料を使わないとすると手段は2つに絞られますが、水分量を減らすとパサついた仕上がりになり、糖度を上げると甘くなりすぎてしまいます。
そこで考えたのが、白あんに練乳とバターを混ぜること。減らした水分量を練乳で補填することで、日持ちすることに加えて、糖度も適度に増加すると考えたのでした。さらに、バターを加えることで“しっとり”させることに成功。その結果、ミルク風味で万人受けする味にたどり着いたのでした。
こだわりのネーミングで大阪を代表する銘菓に
さらにこだわったのはネーミング。月のような饅頭の形から「月化粧」に決定。こうして発売するやいなや、『おしゃれ』を超える大ヒットお菓子となり、大阪を代表する銘菓となったのです。
また、工場に併設された「月化粧ファクトリー」では製造工程を見ることができるほか、焼きたての「月化粧」を味わうことができます。
ちなみに、自宅で焼きたての「月化粧」に近い状態を再現する方法は、電子レンジで10〜20秒温めたのち、オーブントースターで2分ほど焼くこと。温めることで、中はトロっと、外はカリっとした味わいが楽しめます。ぜひ試してみてくださいね。
番組情報
〇内容
『もしもの時』に備えるマネー道!マネー活用バラエティ!
〇放送日時
テレビ大阪 第1~3日曜日 午後2時放送!放送終了後はYouTubeチャンネル、TVerで無料見逃し配信中。
〇番組HP
https://www.tv-osaka.co.jp/ip4/moshimane/
〇もしマネ公式YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/@moshimoney_tvo
〇番組TVer
https://tver.jp/series/srxig6d8zn