肝硬変を防ぐために気をつけたいこと
肝硬変になってしまったら、根治を目指せる治療や薬剤はほとんどありません。そのため、食事や飲酒習慣など、日常生活を見直し、肝硬変に進行するのを防ぐことが大切です。
▽栄養バランスがとれた食事をとる
タンパク質、炭水化物、脂質の栄養バランスのとれた食事をとることが基本です。肝臓の働きを維持するために必要な栄養素を補給するため、主菜、副菜、主食のそろった食事を規則正しくとりましょう。ただし、すでに肝機能が低下している場合は、たんぱく質の摂取に制限がある場合があるため、医師や栄養士の指示に従いましょう。
▽飲酒量を調整する
多量のアルコール摂取は、肝臓に大きな負担がかかり、肝硬変を進行させてしまうので避けましょう。
肝臓に異常がない人であっても、過度な飲酒は避け、厚生労働省が示す「節度ある適度な飲酒量(一日平均純アルコールで約20g程度)」を守りましょう。ただし、すでに肝臓に異常のある方や肝硬変がはじまっている人は、基本的に飲酒はすすめられません。医師の指示に従いましょう。
▽便秘を予防する
便秘をすると、腸内の腐敗菌が増殖し、血中のアンモニアが増えて肝臓に良くありません。便通をよくするために、野菜から食物繊維を十分にとったり、消化に良いものを食べたりなどの工夫をしましょう。
▽ストレスを軽減する
日常的に過度なストレスをためてしまうと、食べすぎや飲みすぎ、生活の乱れなどの原因になります。ストレスをゼロにすることはできませんが、ストレスの元になる環境から遠ざかる、リフレッシュする時間を設けるなどして、ストレスを溜めすぎないようにしましょう。
▽適度に運動をする
適度な運動も大切です。軽く汗ばむくらいの運動を毎日30分程度続けてみましょう。運動をすることで肥満予防や、肝硬変にともなう筋肉の衰えを防ぐことができます。ただし、肝硬変が進行している状態の人は無理に運動することはおすすめできません。医師の指導に従いましょう。
▽定期検診を受診する
肝臓は“沈黙の臓器”と呼ばれるように、肝臓の状態が悪くなっていても、初期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。そのため、定期検診を受診し、肝臓の状態をチェックしておくことが大切です。定期検診は肝臓の機能の変化や異常の早期発見に欠かせません。また、肝硬変の原因のひとつである肝炎ウイルスへの感染の有無も調べることができます。肝臓の異常やウイルス感染の発見が早ければ早いほど、肝硬変になるリスクを下げることができます。
肝臓の異常を早期に発見し、早期に対処することが大切
肝硬変は、過度のアルコール摂取や肝炎ウイルスへの感染、免疫の病気などによって、肝臓の細胞が破壊されることで発症します。特に近年では、アルコール摂取によって肝硬変を発症する人の割合が増えているため、飲みすぎには十分注意しましょう。
一度肝硬変になってしまうと、現在のところ有効な治療法や薬剤がなく、放置していると命に関わる病気です。そのため、肝硬変に至ってしまう前に、肝臓の異常を早期に発見し、早期に対処することが大切です。定期検診の受診と、正しい生活習慣をこころがけ、肝硬変を防ぎましょう。
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【監修者プロフィール】
榎本蒼子(えのもと・あおこ)医学博士、医学研究者
2015年まで公立医科大学にて医学研究および医学教育に従事。在職中は医師・研修医向けの東洋医学セミナー等を担当。現在は医療ライターとして、健康に役立つ情報や最新の医学研究に関する情報を発信している。
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