肝硬変の症状
肝硬変は病気の進行具合によって、初期の「代償性肝硬変」と重度の「非代償性肝硬変」の2つに分けられます。そもそも肝臓には、「代償能」といって、肝臓の一部が破壊されても、残りの部分がそれをカバーして、ある程度までは肝臓の働きを維持することができます。肝硬変の程度が軽く、代償能が働いている状態を「代償性肝硬変」といいます。自覚症状はほとんどありませんが、人によっては倦怠感や食欲不振になる場合があります。
しかし、「非代償性肝硬変」に進行すると、肝臓の機能が保てなくなり、肝硬変に特徴的な以下のような症状があらわれます。
▽黄疸(おうだん)
肝硬変が進むと、黄疸といって、皮膚の色調や、白目の部分が黄色っぽくなります。これは、肝臓の機能が落ちることで、血液由来のビリルビンという黄色味を帯びた物質の代謝が、血中に蓄積するためです。
▽腹水・むくみ
肝臓の機能が低下することで、腹水やむくみが出現します。これは、血管の中に水分を蓄える働きをもつ、肝臓由来のアルブミンという物質が減少するためです。アルブミンが不足することで、血管から水分が染み出して、おなかに水がたまったり(腹水)、全身がむくんだりします。
▽食欲不振
肝臓の機能が低下することにより、栄養素の吸収や代謝がうまくいかなくなり、食欲不振になることがあります。さらに非代償性肝硬変が進行すると、溜まった腹水による胃への圧迫が加わって、食欲がなくなってきます。
▽クモ状血管腫
肝臓の機能低下にともなって、毛細血管が拡張することで、クモ状血管腫が起こります。これは、皮膚の表面に、まるでクモの脚のような形をした、赤く盛りあがったスジがあらわれることを指します。
▽手掌紅斑(しゅしょうこうはん)
肝臓の機能の低下にともなって、毛細血管が拡張することで、手の親指や小指の付け根、手のひらに紅斑(血管が広がることによる皮膚の赤み)が出ることを手掌紅斑といいます。痛みやかゆみはありません。
▽女性化乳房
男性にあらわれる症状です。肝臓の機能が低下することで、男性の血液中にわずかに存在する女性ホルモンの分解処理が滞ることによって、女性ホルモンが働いてしまい、乳房や乳首が大きくなります。
▽羽ばたき振戦(はばたきしんせん)
肝臓の機能の低下により、脳に害が及んだときに出る手の震えの症状を羽ばたき振戦といいます。羽ばたき振戦とは、両腕を前方に上げて手のひらを下に向けてから、前方正面に向かって手を反らせようとすると維持できず、手の筋肉が意思に反して脱力を繰り返すことで、鳥がバタバタと羽ばたくような震えが起きる状態を指します。
▽出血傾向
肝臓の機能が低下することで、本来肝臓で作られるはずの血液凝固成分(血を固める成分)が不足します。これによって、血が止まりにくくなり、出血しやすくなります。
肝硬変の検査方法
肝硬変の検査は、血液検査や超音波検査、CT検査などの精密検査を組み合わせておこないます。
▽血液検査
血液検査では、全身の状態や肝臓の状態のチェック、肝炎ウイルスへの感染がないかなどを調べます。
▽超音波検査
超音波検査では、肝臓の大きさやかたち、炎症や硬くなっている部位がないかなどを大まかに観察します。肝硬変による腹水の有無も調べることができます。
▽CT検査などの精密検査
疑わしい部位が見つかった場合は、CT検査やMRI検査などをおこない、肝臓の状態をさらに詳細に観察します。