猫を飼っていると「あの柔らかい体をぎゅっと抱っこして癒されたい…!」と誰しも一度は思うもの。しかし猫たちの気まぐれな性格に振り回され、理想通りの抱っこができずに終わることも少なくありません。
そんな猫との“抱っこ攻防戦”を描いた漫画『うちの猫らは誰も願いを叶えてくれない』が、漫画家のたなかふじもとさんによってX(旧Twitter)で公開され、多くの猫好きから共感の声を集めています。
たなかさんが飼っている3匹の猫、大吉、中吉、小吉、は、それぞれ性格も好みも違う猫たちですが、どの子も抱っこには一貫して否定的な様子です。
物語は、部屋を歩いている作者が、甘えん坊の大吉を発見するところから始まります。「君は本当に甘えん坊だねえ…抱っこしてあげよう。」と優しく抱きかかえようとしますが、大吉は両前足で体を押しのけ、断固拒否の姿勢を見せます。
次に目に入ったのは、床でのびのびと寝転がる小吉。背中を撫でてリラックスさせながら、再び抱っこを試みるも、こちらも完全拒否でした。
意思の強さに感服しながらも、たなかさんは「次こそは…!」と意気込みながら、何をしても嫌がらない中吉の抱っこに挑戦します。忠吉なら理想の抱っこが叶うかも…と思いきや、まさかの拒否されてしまうのでした。まるで「みんなで示し合わせているのでは?」と思うほど、見事な拒絶の三連発です。
作者が肌を寄せ合い、猫たちの体温を感じるような理想の抱っこを夢見る一方、猫たちはその夢を軽やかに打ち砕く展開が、読者の笑いを誘います。
同作のコメント欄には「抱っこした瞬間液体になって、するりと居なくなることも...」 や「上に乗ってきたりするのに抱っこは無理っていう理不尽」など。猫の気まぐれさを感じるエピソードも寄せられていました。
普段の猫たちの様子について、作者のたなかふじもとさんに詳しく聞きました。
ー同作では理想の形に収まってくれない姿が描かれていますが、その日の気分が乗らなかったのでしょうか?もしくは、普段からぐんっと押しのけられてしまうのでしょうか?
普段からグンっとされます。されないことはないです。
ー「大吉…君は本当に甘えん坊だね」という言葉から、普段からたくさん甘えてくることがあるようですが、猫たちはどんな甘やかされ方を期待していると感じますか?
基本的にいつでも触られたいんだなーという感じがしますが、内蔵(腹部)をおびやかされたり狩猟本能の危機(爪切り)を察すると、抵抗するようです。
ー普段、たなかさんは猫たちに対してどのような愛情表現をしていますか?
赤ちゃん言葉を使うなどは嫌いなので、猫と同じ鳴き声で応答するようにしています。猫も鳴き声を返してくるので、猫語の応酬で会話をしている感じになります。
なにを喋っているのかはさっぱりわかりませんし、はたからみると赤ちゃん語より恥ずかしいかなと思います。
ー逆に、猫たちから信頼されているなと感じるような行動がありますか?
隙があれば乗ってきます。温かい乗り物だと思ってるかもしれません。
ー最後に、もしも猫たちと1つだけ会話ができるとしたら、どのようなことを聞いてみたいですか?
「どう思ってんのさ。」と聞きたいです。
<たなかふじもとさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/tanaka_fujimoto
▽『ザ・にゃんフィクション』(裏サンデー)
https://urasunday.com/title/2403
▽『このコどのネコ?新・ネコ分類百科 図鑑NYAO ネコみっけ!』
https://www.shogakukan.co.jp/books/09389129
▽『ケツを叩けと猫が云う』(ねこナビ)
https://nekonavi.jp/archives/author/tanaka_fujimoto