電車や駅の「すぐ切り替わる多言語表示」やめて!日本人が利用しづらい現状に疑問の声…認知症には難しい「せめて日本語は常時表示を」

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

国を挙げて見直して!

「すぐに切り替わる多言語表示」については、認知症の方以外にも、子どもや視力に障害がある方などにとっても「不便」という声が多く見受けられた。

2024年12月、日本政府は「認知症になっても希望を持って生きられる社会」を実現するという、「新しい認知症観」に立った取り組みを推進するための基本計画を閣議決定した。

しかし今回の「すぐに切り替わる多言語表示」のように、生活の基盤となる交通インフラでさえ、認知症への配慮が十分ではないのが現状だ。

「今回私が投稿したのは、尊敬している認知症の方のつぶやきが元になっています。多くの反響から、認知症でなくてもたくさんの方が『すぐに切り替わる多言語表示』に戸惑っていると感じます。この現状について、国を挙げて見直してほしいと強く思います」(くりんさん)

閣議決定に則り、国土交通省は「わかりやすい表記」への対応を

認知症の介護や相談の仕事に20年以上携わっているというくりんさんによると、現在、日本における「認知症」およびその予備軍である「軽度認知障害」の人口は約1,100万人だという。

「今回の投稿に対して、『認知症の人は1人で外出するな』という意見もありましたが、認知症は重い症状から軽い症状まで様々で、軽い場合は1人での外出も十分にできます。家に閉じこもっていれば症状は悪化します。入所できる施設の数も全く足りていません。すべての人が認知症になる可能性があり、高齢になるにつれてその率は高くなります。

認知症の方は不安や混乱に陥りやすく、わかりづらい表記はそれを増幅させることもあります。それが原因となり、外出の不安が増したり、外出意欲を失って閉じこもり、さらに症状が進む場合があります。認知症に限らず、わかりやすい表記は多くの方の混乱やイライラを防ぎ、物事もスムーズに運ぶようになるはずです。昨年末の閣議決定を踏まえて、国土交通省が対応し、駅の表示や様々な書類がわかりやすい表示になったら……簡単なことではないと思いますが、本当に素晴らしいと思います」(くりんさん)

※厚生労働省HP「認知症になっても希望を持って生きられる社会」とは?

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