「カフェなんて高すぎる」真夏も真冬も、会うのはいつも公園で 節約派のママ友との関係に悩んだKさんがたどり着いた解決策は

松波 穂乃圭 松波 穂乃圭

子育て中のママたちにとって、同じ悩みを共有できるママ友との関係は貴重です。しかし、それぞれの価値観や生活スタイルの違いが、時には戸惑いや葛藤を生むこともあります。埼玉県在住のKさん(40代)は、そんな価値観の違いに向き合いながらママ友付き合いを続けています。

はじまりは新緑の公園で

5月のある晴れた日、Kさんは子どもの幼稚園入園をきっかけに知り合ったLさんと意気投合しました。お互い育児休業中で、通園バスを見送った後に一息つこうという話に。自動販売機で買った缶コーヒーを片手に、公園でつかの間のママ友トークを楽しみました。ちょうど気持ちの良い新緑の季節ということもあり、公園で飲む缶コーヒーが妙においしく感じられました。

「たまにはこういうのもいいよね」と感じたKさん。Lさんとの会話も弾み、その後も定期的に公園での「お茶会」をする約束をするようになりました。

四季折々…過酷な公園カフェ

会う機会が増えてきた2人。Kさんが「次は近所でランチでもどう?」と誘ってみると、Lさんの返事は「公園で何か飲みながら話そう」でした。

もう季節は初夏になっていました。ギラギラ照りつける太陽の下、公園の木陰に座りながら冷たいコーヒーを手にしたKさんでしたが、Kさんは熱中症になるんじゃないか思うほどの流れる汗と暑さに耐えながら、Lさんと会話することに。「カフェの方が快適なのに」と心の中で思わずつぶやいてしまいました。

その後、近所におしゃれなカフェがオープン。Kさんは再度誘ってみたものの、またしてもLさんは「公園で」と主張し、Kさんの希望は実現しませんでした。

イベント事が多い秋は瞬く間に過ぎ、季節は冬になりました。それでもLさんと会うのは公園です。あたたかい缶コーヒーを選びましたが、北風に吹かれながら冷たいベンチに座っていると、頭の中は「早く帰りたい!」という思いばかりめぐり、会話の内容も入ってきません。Lさんとの「お茶会」はいつも公園。どうしてカフェに行かないのでしょう?

見えてきた価値観のズレ

Lさんとの会話は楽しく、子育ての価値観も一致しているため、貴重な友人であることに間違いありません。ただ一つ、Kさんが気になったのはLさんの「お金」に対する価値観でした。節約意識が強いLさんは「無駄遣いは嫌い」とよく口にしていました。公園でのお茶会が続く理由も、彼女の金銭感覚にあるのではないかとKさんは気づきました。

あらためて「たまにはカフェでゆっくりしない?」と提案したKさんでしたが、Lさんから返ってきたのは「お店?コーヒー高いでしょ」との一言でした。

それからも公園でのお茶会は続きましたが、Kさんの心にはモヤモヤが残るように。おしゃべりは楽しいのに、いつも同じ選択肢しかないのは少し窮屈に感じました。

そこで、「公園で缶コーヒー」から脱却しようと考えたKさん。思い切ってLさんを自宅に招くことにしました。Kさんの家は狭いし、片づけも追いついていない状態ですが、特売で買った缶コーヒーを用意してもてなしました。そのうちLさんも実家から届いたお菓子を持参してくれるようになり、少しずつKさんのモヤモヤも和らいでいきました。

価値観の違いをどう受け止める?

価値観の違いを完全に共有することは難しいけれど、相手を尊重しながら付き合いを続けていくことが重要だと感じたKさん。同じ悩みを共有できるLさんとの時間は、何物にも代えがたいものです。今日も二人は公園やKさんの自宅で缶コーヒー片手に笑い合い、かけがえのない時間を過ごしています。

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