可愛い小鳥「シマエナガ」の写真を投稿するX(旧Twitter)のアカウント「ぼく、シマエナガ。」(@daily_simaenaga)さんのポストが話題です。アカウントにはシマエナガの写真が多数投稿されていますが、話題となったポストでは投稿している写真すべてが自身で撮影した「自家製」であることが語られました。投稿写真は個人での保存やアイコン利用もOKなどの記載もあったことから、1551万回表示、21万いいねとなりました。
現在Xでは動物の写真を無断転載するアカウントが、不正な利益を得ていることが問題となっています。Xユーザーの間では、無断転載アカウントのフォローなどを避けようという風潮もあります。そのため「ぼく、シマエナガ。」さんの無断転載ではないという宣言は、多くの人に安心感を与えたようです。
大きな反響があったことについて「ぼく、シマエナガ。」のアカウントを運営されている写真家の「やなぎさわごう」さんに話を伺いました。
━無断転載ではないことを宣言したことへの反響について、どう思われましたか?
「ぼく、シマエナガ。」のアカウントは、私「やなぎさわごう」が撮影したシマエナガを投稿して運営していますが、プロフィール欄にその旨を記載していないこともあり、写真の出所がわからない方が一定数いることがわかりました。
当該ポストのリプなどを拝見しますと「無断転載だと思っていた」という声がちらほらあったので、はっきりと無断転載ではないと宣言してよかったと思います。
「ぼく、シマエナガ。」アカウントを運営して9年近くなりますが、これからも定期的に同様のポストをしていこうと考えています。
アカウントの性格上、これまで“中の人”つまり写真家「やなぎさわごう」のことを出さずに運営していたのですが、これからは少しづつ露出していってフォロワーのみなさんに1人のシマエナガ好きが自前で撮った写真を投稿しているアカウントだということを認識してもらえるようにしていこうとも考えています。
━なぜ、シマエナガを選んだのですか?
9年前にシマエナガのことを知り、そのあまりの可愛さに、自分でも撮ってみたいと思ってカメラを購入したことが最初です。
━写真は、どのように撮影されているのですか?近づくと逃げてしまうと思うのですが。
シマエナガは日本最小級なうえに素早く動くので撮影は大変ですが、近年のカメラ機材の性能の進歩でなんとか撮影できています。
野生なので近すぎると逃げてしまいますが、他の鳥に比べると警戒心はそこまで強くないように思います。驚かせないように動きや音に注意して撮影しています。
何万枚と大量に撮ったなかからなんとか皆さんにお見せできるような写真を選んでポストしています。
━厳選写真なんですね。カメラ目線のシマエナガがいるようですが、カメラを見ているのですか?
シマエナガのもっとも可愛い写真は真正面からのものだと思うんですが、真正面から撮るのはとても難しく、ほとんどがお尻か横顔写真ばかりです。
専門家ではないので正解かどうかわかりませんが、シマエナガの目は頭の横についているので、猛禽類とは違って物を見るときに片目で見ていると思います。いわゆる“カメラ目線”というのは横顔写真で、真正面で撮れたものはじつはこちらを見ていないのではないかと思います。
シマエナガが撮影者に注意することなく適切な距離がとれたときに取れるのが真正面写真なのではと個人的には思います。
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やなぎさわごうさんのアカウントでは、シマエナガの写真を安心して閲覧することができます。その一方で無断転載するアカウントや、無断転載された被害者が存在します。悪質なアカウントを応援しないように意識することも大切だといえます。
◆やなぎさわごう 北海道在住の写真家。日本では北海道にのみ生息する、スズメ目エナガ科の小鳥「シマエナガ」を主に撮影。72万フォロワーのXアカウント「ぼく、シマエナガ。」の運営者。趣味は「シマエナガグッズ収集」「シマエナガを愛でること」「シマエナガ撮影」。