【政治とカネ(1)前編】なぜ「政治とカネ」の問題が起こるのか? 根本の原因を考える必要 「権力闘争」と「真っ当な政治活動」の区別と解決策 豊田真由子が解説

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

「カネが幅を利かせる」要因

古今東西、政治の本質は権力闘争である、ということはよくいわれることで、確かにそれは事実ですし、それ自体を変えることは難しいと思うのですが、ただ、たとえそうだとしても、「カネが大いに幅を利かせる不公正な政治」に、できるだけならないようにシステムを構築することが肝要で、各国ともそこに苦慮しているわけですが、日本は依然として、昔ながらの価値観や慣習がずっと続いてしまっているのだと思います。(ただこれでも、「政治とカネ」についての昭和平成の数多の巨額疑獄事件等に比べれば、随分とマシになった、ということはいえるのだとは思いますが・・。)

日本政治の権力闘争において、「カネが幅を利かせる」根本的な要因のひとつは、「選挙における党の公認獲得や、永田町での様々なポストの選出において、客観的公正な基準やシステムが無い」ということがあると思います。「客観的公正な基準やシステムが無い」がために、権謀術数の渦巻く中での“人心掌握の術”として、カネが絶大な効果を持ってしまう、ということになります。

そして、やりようによっては、ポストを得た場合に動かせる権力やカネの額が、ものすごく大きい、といった政治の特殊事情からも、永田町や地元政界において、権力欲の強い人たちの中で「どんな手を使ってでも、公認を得たい、議員になりたい、ポストを得たい」という血みどろの争いが起こります。そして、政治においては、基本的に「数は力」なので、権力闘争に勝つために、勢力拡大や子分作りが重要となり、そこでカネがますます力を発揮する、ということになります。

さらに、総裁選をみても、少なくとも「これまでの自民党総裁が選ばれる力学・方法」においては、「権力への強烈な志向に基づいて、潤沢な資金を使って、時間をかけて、相当の数の仲間・子分を作る」ということが、基本的に絶対に必要でした。これは総裁選出馬そのものに事務的にかかる費用として、数億円が必要(党員(約110万人(2023年末時点))への広報ビラの作成・送付や電話かけ等)といったこととは、全く別の話としてです。ただ、今回の総裁選は、若干様相が変わってきているところはあるように思います。

まいどなの求人情報

求人情報一覧へ

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース