スマホは私たちの生活に欠かせないものとなっています。コミュニケーションや情報収集の手段として重要な役割を果たしているのはいうまでもありません。しかし、子どもにスマホを持たせるべきかどうか悩む保護者も多く、「スマホは何年生から持たせるべきか」などの相談がよく寄せられます。
連絡手段として必要…?
▽Bさん/49歳・団体職員 小6
我が家は、家庭の方針でスマホを持たせていません。息子はサッカーを習っていますが、練習の予定変更や急な集合時間の変更が頻繁にありました。私のスマホを連絡手段とし、私が受け取って息子に伝えていましたが、私と息子の連絡がうまくいかず、緊急の変更などの情報を知らずに遅刻してしまうことが何度もあり、そのたびに部活動での立場が悪くなっているようです。私も都度連絡するのも大変なので、スマホを持たせたほうがいいのか、悩んでいます。
クラスの中で孤立しているのでは…?
▽Cさん/42歳・パート社員 小5
うちは、小学校の5年生でまだスマホを持たせていません。息子のクラスでは、放課後に友達同士でスマホのゲームを楽しむことが流行していましたが、息子はスマホがないため参加できませんでした。最初はほかの遊びを提案したり、一緒に外で遊ぼうと誘ったりしていましたが、次第にクラスメートたちはゲームに夢中になり、息子は誘われることが少なくなりました。スマホを持たせないことで、友人関係が希薄になってしまったのかな、クラスで孤立しているのではないかなと心配しています。
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スマホを持たないことで、友達や仲間との連絡がスムーズに行えず、疎外感を感じるのではないかと心配になる親御さんも多いことでしょう。上記のような事例について、似たような話を一度は聞いたことがあるかもしれません。
小学生高学年のスマホ所有率は4割超
スマホを持たないことで起こる友達とのを心配する親御さんが多いのですが、何年生からスマホを持たせているのが多いのでしょうか。
NTTドコモ・モバイル社会研究所が2024年1月に公表した「小中学生のスマホ・キッズケータイ所有状況」によると、小学生高学年のスマホ所有率が初めて4割を超し、小6では半分を超えたという結果があります。
スマホと一口でいっても、時間制限やアプリが自由にDLできないように制限をかけている場合や、逆に子どもにまかせて自由に使えるようにしている家庭など、さまざまです。
「本当はあまり持たせたくないけど、塾や習いごとがあるから連絡をとらないといけない」という理由で必要に迫られて持たせるケースも多いでしょう。
スマホを持つと依存症になるのではないかと心配する親御さんも多いと思いますが、セキュリティをかけたりすることもできますし、例えば連絡手段として家族だけや特定の友達だけでやりとりをすることもできます。
スマホの持たせ方や使用ルールについて家族で話し合うというのはよく言われていることですが、子どもが勝手にアプリをDLできないようにすることもできますし、セキュリティロックやブロックも可能です。
「せっかくなら子どもが自由に使えたほうがいい」と何も管理もしないと、不適切なサイトを見たり、危ないサイトにアクセスする可能性はかなり高いです。親が思ってる以上に、ネットには不適切なサイトが溢れていて、子どもたちは想像以上に見ていることも多いです。小学生の間は、一度スマホを渡したら、何を見ているのか話し合ったり、子どもと情報交換をするようにしましょう。
生活スタイルを考慮しながら、スマホを持つことのメリットとデメリットを総合的に判断し、スマホを持たせるか持たせないか決めること。小中学生のうちは一度スマホの利用について家庭でよく話し合い、決まりを作り、親が責任を持って管理することも考えておくといいですね。
【出典】
NTTドコモ・モバイル社会研究所/小中学生のスマホ所有率上昇 調査開始から初めて小学校高学年で4割を超す
https://www.moba-ken.jp/project/children/kodomo20240129.html