転職によって「年収が増えた職種」ランキング この1年でもっとも伸びたのは…「組み込みエンジニア」の14万円 その理由は?

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

パーソルキャリア株式会社(東京都千代田区)が運営する転職サービス『doda(デューダ)』は、このほど「2023年度 職種版 決定年収レポート」を発表しました。同レポートによると、企業が転職者の採用を決めた際に提示する「決定年収」は、2023年度は14職種中12の職種で上昇したことが分かりました。また、2022年度から2023年度の1年間の決定年収上昇幅が最も大きかったのは「技術職(組み込みソフトウェア)」(+14万円)だったそうです。

調査は、2019年4月~2024年3月の期間に、同サービスを利用して転職した個人のデータをもとに、採用決定時に個人に対して提示する年収(決定年収)を集計し、まとめたといいます。

まず、「2019年度から2023年度の決定年収の増加幅」をみると、この5年間で平均「32万円」アップしたことが分かりました。これは、労働力不足が叫ばれる中で、専門性やスキルを有する人材の獲得競争がさらに白熱し、採用時の年収を引き上げる企業が増加したことが背景にあるといいます。

また、最も上昇幅が大きかった職種は「金融系専門職」で54万円の上昇となりました。この背景として同サービスは、「事業強化のために、デジタル技術や富裕層向け資産運用、プロジェクトファイナンスなどの即戦力人材を採用したこと、また、2023年から有価証券報告書を発行する企業を対象に義務化された、『人的資本の情報開示』により、中途を含むダイバーシティ採用に注力したことなどが挙げられる」と分析しています。

2022年度から2023年度の1年間の「決定年収上昇幅」をみると、1位は「技術職(組み込みソフトウェア)」(2023年度:524万円/+14万円)でした。

同サービスによれば、「近年では、『技術職(組み込みソフトウェア)』、すなわち『組み込みエンジニア』の採用ニーズが大幅に高まっている」状況にあるといいます。

その理由としては、「IoTの拡大」「自動車産業の進化」「スマートファクトリーと産業自動化」「医療技術の進歩」「エネルギー効率と環境への配慮」の5つが挙げられるとしており、「技術職(組み込みソフトウェア)は、安全性やリアルタイム性が求められる傾向が強く、かつ開発における制約が比較的多いため、特に人材が不足しています。さらに、さまざまな業界から求められているため、人材獲得競争が激化しています」と推測しています。

なお、次点以降では、同率2位に「営業職」(2023年度:451万円/+11万円)と、「技術職(化学・素材・化粧品・トイレタリー)」(2023年度:466万円/+11万円)の2職種が続く結果となりました。

これらの調査結果を踏まえて同サービスは、「2023年度は14職種中12の職種で決定年収が増加しました。今後も物価上昇が見込まれること、そして労働人口不足が解消されないことを考慮すると、賃上げ傾向は続き、それにともない転職時の提示年収も徐々に上がっていくと推測します。しかしながら、何もせずとも、転職時の年収が大きく上がるということはないでしょう」と述べています。

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【出典】
▽転職サービスdoda
https://doda.jp/

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