フチドールにティアラ…平成を彩った“デコり用ペン” 今も売ってるの?「爆発的な売上」から20年経った現在は、メーカーに聞いた

門倉 早希 門倉 早希

プリクラに携帯電話、ノートや手紙などを思い思いに装飾する。2000年代に流行した「デコ文化」を覚えていますか。

ラインストーンやシールなどさまざまな商品が流行したなかで、特に記者の記憶に強く残っているのが、フチドールやティアラといった「ボールサイン」シリーズです。キラキラのラメが入ったものや、縁取ったような文字が書けるものなど、交換ノートや手紙を華やかにしてくれるペンは当時の小中高生なら誰しも1本は持っていたのではないでしょうか。

今でもSNSで話題になっているところを見かけるので、気になって文具店を巡ってみると何軒か回ってようやく小さな文具店で発見しました。今でも店頭に並んでいるのが驚きですが、あの頃よりも種類が減っているような。平成を彩ったペンは今どうなっているのでしょうか。メーカーのサクラクレパス(本社:大阪府大阪市)に聞きました。

20年経ち…今でも製造してるの?

シリーズ最初の製品である「ボールサイン280」が誕生したのが、今から40年前の1984年。サクラクレパスが世界で初めて開発した水性と油性両方の特長を併せ持つ水性ゲルインキのボールペンとして発売されました。

そこからシリーズ商品は大きく展開され、97年にはメタリック調のキララが誕生。写真やコート紙にも書けることからデコレーションに使えるペンとしてブームになり、それ以降はフチドールやティアラ、ムーンライト、アクアリップ、スフレ、ラグジェなどが続々と登場。デコり文化にマッチしたバリエーション豊かなペンは話題を呼び、「特にティアラは発売当時、爆発的に売り上げを伸ばし、そのために生産ラインを増やしたほどでした」(担当者)。

20年ほど経った現在は、キララやフチドールなどは残念ながら廃番に。一方でティアラやスフレなどは引き続き展開しているそうで、担当者曰く「ロゴやデザインも当時と変わらないため、懐かしい!と言っていただくことが大変多いです」。

当時に比べると文具店自体が減っているので取り扱いがある店舗は限定的ではあるものの、ティアラに関してはファミリー向け店舗などで今でも好調に売り上げを伸ばし続けているといいます。

サクラクレパスの担当者は「お友達と手紙を交換する文化などはまだまだ健在で、小学生のお子さまを中心にボールサインシリーズをお楽しみいただいています。2000年代にボールサインシリーズを愛用されていた方たちが、今では2世代に渡り、お使いいただいているケースもあるようです」と語ります。

ボールサインシリーズはこれからも拡大

平成を思い出すボールサインシリーズは、サクラクレパスのXアカウントでは何度か登場しており、そのたびにユーザーからは「懐かしい」「昔使ってた!」との声があがっています。

それを受けて、「Xの担当者自身が子どものころティアラを愛用しておりましたので、懐かしい!とユーザーのみなさまに共感していただき、とても嬉しく思っています。投稿をきっかけに『捨てずに置いてあったペンを引っ張り出してきて書いてみました!』というお声や実際にお買い上げいただいたというお声は大変励みになります」と担当者。

そんな平成を彩った懐かしのボールサインシリーズは今でも新商品が開発されており、2020年には6色の黒インキから好みを選べる「ボールサインiD」、昨年には初の3色ボールペンである「ボールサインiD3C」などが登場。ビジネスシーンなど活躍の場を広げ、今後もシリーズを拡大していくといいます。

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