容器がひょうたんの形をした珍しい駅弁。瀬戸内海を渡るしまなみ海道開通に合わせて販売が開始された。その道中、多々羅大橋を通過中に大三島の北東に浮かぶ瓢箪(ひょうたん)島が望める。南半分が今治市に属し、それをモチーフにしたのだろう。ふたに貼られた丸い掛け紙には、しまなみ海道がバックで弁当の中身が写真で紹介されている。以前食べたときに感じた特徴ある弁当で、海の幸を中心にしっかりとおかずの詰まった内容を思い出しながら、ふたを取った。
容器下側は、ちらしずしが占めている。酢飯の上に錦糸卵が敷きつめられていて、それだけでも十分おいしいが、それが土台。その上に煮アナゴ、タコ、椎茸、酢締めでしゃきしゃきと歯応えの良いレンコン、エビ、カニカマなどが並ぶ。緑の食材はないものの、バランでそれを補っている。
先の細い部分はおかずゾーン。昆布巻き、エビ天ぷら、かまぼこ、煮豆などが入り、愛媛らしくミカンの果肉入りゼリーがアルミカップ入りで締めの一品を演出している。
どのおかずも酢飯によく合って一緒に食べても飽きが来ず、好感が持てた。
ミカンゼリーは甘すぎず爽やかでボリューム感があり、デザートとして最適だ。
ちらしずしだけでも十分に満足できるが、容器がひょうたん形で上下に分けることによって主菜と副菜の区別がつきやすく「なるほど」と、その採用に納得した。持つのも楽で食べやすさにも一役買っている。
前日までに取り置き予約が必要だが、その価値は十分にある、何度でも食べたい魅力たっぷりの駅弁だ。
1350円。予讃本線・今治駅「㈱二葉」☎0898221859