「義母が買ってきた」という人も…悪質な「未認証チャイルドシート」に注意 大手通販サイトでも流通

小森 有喜 小森 有喜

国が定める安全基準を満たしていない「未認証チャイルドシート」の危険性が、Xで話題になっている。こうした製品は楽天市場やアマゾンなどの大手ECサイトでも販売されているのが現状だ。

道路交通法により、6歳未満の幼児に着用が義務付けられているチャイルドシート。国土交通省によると、衝撃吸収性能や部品の強度などの安全基準に適合する必要がある。

しかし基準を満たさない粗悪な製品が、通販サイトで「チャイルドシート」という名称で多く販売されているのが実態だ。同省も大手サイトに取り扱いへの配慮を求める通知を出すなど対策してきたが、根絶には至っていない。未認証チャイルドシートは公道での運転時に使えば道路交通法違反になるが、理屈上はそれ以外の目的で使うことも可能なため、販売自体の規制は難しいということも背景にある。

話題になっているのは、Xでチャイルドシートに関する情報発信をしている「チャイルドシート総合研究所@所長」さん(以下・所長さん)の投稿。楽天市場で実際に販売されている商品の画像とともに「絶対に買ってはいけない」と注意喚起をし、1.5万件以上のいいねが寄せられるなど話題になっている。

Xユーザーからは「安全基準を満たしているように見せかけているのが悪質」「安さで飛びつく人がいそう」といった声があり、中には「義母がこのタイプのものを買ってきた」という人も。なお、投稿が拡散されるとこの商品のページは削除された。

未認証品の多くは布製で簡素な作りをしており、ほぼ全てがネット上で流通しているという。また「商品説明に『補助用のシート』『本製品とシートベルトと併せて使用』など、消費者に分かりにくいように未認証であることをほのめかしているものが多い」(所長さん談)。海外製が多くを占めることから、不自然な日本語で商品説明が書かれている場合も注意が必要だという。

これ以外にも所長さんは、きちんとした商品を見極めるポイントとして「UN(ECE)-R129などの安全基準の記載」「製品の正式名称が記載されており、ネット検索したときにオフィシャルサイトや日本国内の輸入代理店などが確認できること」などを挙げている。

国土交通省は2017年、実際に販売されていた未認証チャイルドシート7製品を使い、事故を再現した実験を実施。衝撃で固定金具が壊れたり布が破れたりし、ダミー人形が強く前方に放り出されたほか、放り出されなかった製品でも腹部などを強く圧迫し、子どもに重篤な傷害を及ぼす危険性が確認できたという。

同省は「基準に不適合のチャイルドシートでは、衝突時にお子様を守れない。適合しているチャイルドシートを使用してほしい」と呼びかけている。

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