今春で見納め…京都の「狐の嫁入り」行列 人気だったのに、最後となった理由は?

浅井 佳穂 浅井 佳穂

 毎年春に京都市東山区の高台寺付近で開催されてきた「狐の嫁入り」行列について、高台寺は14日までに、今春限りで終了すると明らかにした。キツネの面を付けた花嫁姿の女性を中心にした行列はSNSを中心に人気を博したが、今年で見納めとなる。

 一帯が鳥辺野と呼ばれた地域に近いことにちなみ、百鬼夜行のような行列で訪れた人々を楽しまるねらいで「狐の嫁入り」は始まった。高台寺や地元の業者らでつくる実行委員会が約20年前から春の夜に実施していた。5~10日程度限定の催しで、幻想的な行列は観光客らの間で人気だった。花嫁役は例年年末に公募していたが、毎年200通近い「立候補」があったという。

 以前は3月開催の「東山花灯路」に合わせて知恩院から高台寺までの1キロ弱で行っていたが、東山花灯路が2022年で終了。近年は時期を遅らせて開催を継続してきたが、今年で20回の節目を迎えることから実行委が終了を決めた。

 最後となる今年は、4月3~7日に行われる。午後6時と午後7時の2回あり、大谷祖廟(そびょう)前から高台寺までの約600メートルを練り歩く。

 高台寺の奥村紹仲(じょうちゅう)執事長は「今年は高台寺を創建した、(豊臣秀吉の正室)ねね様の没後400年にあたり大きな法要が控えており、節目でもあると考え終了を決めた。またいつか再開できれば実施したい」と話した。

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