世界各国の国王や大統領、首相などを迎える国の迎賓施設「迎賓館赤坂離宮」(旧東宮御所、東京都港区)。各国要人の宿泊場所や首脳会談の舞台として知られていますが、実は一般参観も行っています。最も格式の高い部屋といわれる「朝日の間」や条約の調印式や首脳会談などに使用される「彩鸞の間」などが見学でき、訪れた人たちからは「もっと見たかったなぁ」「再入館できればいいのに」という声も。そんな声に応えるように館長が公式SNSに投稿しました。「では、公式の裏技を」
迎賓館長「階段を下りたところのスタッフに…」
迎賓館長の三上明輝さんが自ら公式X「迎賓館赤坂離宮 Akasaka Palace」(@cao_Geihinkan)に披露した裏技とは、「参観コースの最後、1階への階段を下りたところのスタッフに『もう1周します』とお声がけください。時間の許す限りお楽しみいただけます」というもの。
三上館長は「2周目で気づく新たな発見や別の驚きがきっとあります」として、時間帯によって自然光の入り方などが変わり、同じ場所でも違った見え方をすると紹介。「何度見ても楽しめる、それが迎賓館赤坂離宮」だとアピールしました。
まいどなニュースの取材に対し、三上館長は「迎賓館赤坂離宮は、近代国家の仲間入りを目指して熱気に満ちていた明治の日本が威信をかけて作り上げ、昭和の改修を経て今日なお現役の外交の舞台として活躍している建物です。歴史、建築、美術に興味のある方はもとより、きらびやかなシャンデリアやアンティーク家具がお好きな方、大理石や花崗岩など鉱物・建材マニアの方などにもお楽しみいただけます。これからの季節はガーデンカフェもよさそうです。みなさまのお越しをお待ちしております」と来館を呼びかけました。
公式が認める裏技を知ったユーザーからは、「えええっ、2周目ありなんですか!?」「公式の裏技、館長自らが発信してすばらしい」「有益な情報ありがたい」「まさに先日、裏技で2周目させていただきました」「本当に美しかった。もっと見たいというのはすごく分かります」「とってもきらびやかでした」などの声が続々。中には同館の存在や一般公開を知らなかったという人もいたようで、「これ日本なの!?」「日本で本物の宮殿が見られるとは」「知らなかったー!今度行ってみよう」といった声も上がっています。
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迎賓館赤坂離宮は1909(明治42)年、皇太子時代の大正天皇の住居として建設された日本で唯一のネオ・バロック様式による宮殿建築物。当時の建築や美術、工芸界の技術の結晶と呼ばれています。1974(昭和49)年からは賓客を迎える迎賓館として使われており、2009(平成21)年には国宝に指定されました。
なお、一般参観の際は危険物の持ち込みや公序良俗に反する服装、本館内での写真撮影などは禁止されています。参観料金は本館・庭園が一般1500円、大学生1000円、中高生500円、小学生以下無料など。公開日や禁止事項などの詳細は、公式サイトで確認を。