夫家族が結婚式をだいなしに…妻が”絶縁”を決意したら 夫の言葉にガックリ「中立であろうとする気持ちもわかるけど」

宮前 晶子 宮前 晶子

「まぁ、そんなつもりで言ったわけじゃない」。義父母からの言葉に悩まされたり、自身を否定されたりしたことを妻が夫に伝えたときに、この言葉を言われたら…。

夫側からすれば、親側の肩を持ちつつ、妻にはそんな否定的に受け止めるようなことではないと慰めているつもりかもしれません。しかし、そんな言葉に「禁句です」と訴えるのは義実家との関係に悩む女性・山田ゆりえさん(仮)。

夫のその返しから妻が感じることとは? なぜ、言ってはいけないのでしょうか? 詳細を聞きました。

一言目では、絶対ダメ!

義実家との付き合い方に悩む妻と、実の両親との間で板挟みになる…結婚生活が始まると価値観などの違いから出てくるさまざまな問題に辟易する夫は少なからずいるでしょう。

妻から義両親(夫にとっては実の両親)の言動のここが嫌だったと言われたときに、「第一声が“まぁ、そんなつもりで言ったわけじゃない”は母親側の意見を返しているだけ。妻の嫌だったという気持ちを差し置いて、それが出てくるのは事実に向き合っていないのではと思います。自分の母親の言動で嫌な思いをしたという事実に向き合うべきです」と、問題点を指摘する山田さん。

「妻から自分の実家とのいざこざを話されたら、中立であろうとする夫の気持ちもわかります。でも、ひと言めが“悪気はなかった”は、妻の気持ちに寄り添ってないでしょう。“え、一言目それ?”となります」。

続けて、「一言めに妻が欲しいのは、 “そんな気持ちにさせてたんだ”“言い辛かったよねごめんね”。妻の気持ちを受け止め、寄り添ってくれる言葉が先に出て欲しいんです。それだけで奥さんは“夫は私の話を聞いてくれる、私の味方でいようとしてくれている”と感じるのです」と妻側の気持ちを代弁します。

結婚は2人で新しい家庭を作ることなのに

山田さんは、結婚が決まってから、結婚する2人を差し置いた行動(フォトウエディングへの参加や式場選びへの同伴や決定権、ウエディングプランナーへの失礼な発言、引き出物選びなど)が目立つ夫の母親や姉に、「この人たちとうまく付き合える自信はない」と違和感を持っていました。

そして、結婚式当日の出過ぎた振る舞いで顔も見たくない存在になってしまいます。

「義理の母がバージンロードを歩く新郎に駆け寄って腕を組んで歩いたり、夫の友人スピーチの際にしゃしゃり出たり。サプライズ”と称して、披露宴中に新郎の誕生祝いをやったことで、もう無理と、はっきりわかりました」。

また、新婚旅行や新居購入について「なんでも勝手に決めるなんて!逐一報告しなさい」と怒鳴られたことも。「うちの嫁に来てもらったんだから、うちのやり方に従ってもらいます」と宣言されたことにも嫌悪感があり、お盆や年末年始、家族の誕生日会などに呼ばれますが、結婚式以降は没交渉。義実家は「嫁が謝りに来てくれるなら私達は関係修復してもいいと思ってるんだよ」と言ってるそうです。

「お嫁さんが、可哀想だった」と周囲に言われて

当初の夫は「俺の親はこういう性格だから」「気にしなくていいから」「ああいう親だから、こちらが変わって、動かないと」と繰り返すばかり。妻と自分の親の仲を取り持とうとして、嘘をついたりお互いの意見を曲げて伝えたりしていたため、かえって話がこじれたことも。

しかし、山田さんは諦めることなく、「あなたと結婚したのであって、あなたの親の所有物になった覚えはない」「あなたの家の主張は一般的に見て普通じゃない。友達や職場の人にも確認してほしい」とずっと伝え続けました。

また、結婚式に参列した友人や職場の上司から「結婚式でのお前の親の振る舞いは、良くなかった」「お嫁さんが可哀想だった」と夫は言われたそうです。さらに、山田さんが悪夢障害になり、毎日うなされたり寝ている間に過呼吸になったりする日々が1ヶ月続いたことで、ようやくことの重大さや自分の親のしたことに気付いたそう。今では、全面的に山田さんの味方となり、新しい家族との暮らしを築いています。

言われたくない…ほかのNGワードは?

「(義理の)お母さんは、そんなつもりじゃないんだから」「悪気はないんだから」は、母親を擁護するわけでなく、中立に立った言葉だと言われることもあるそうですが、「私には片方の肩を持つ言葉にしか聞こえない」とも。「自分の子どもが友達に嫌なこと言われて泣きながら帰ってきたときも、 “相手も悪気はなかったんじゃない?”と声を掛けるのでしょうか?」と問いかけます。

「悪気がないから、気にしなくても良い」「親と妻でじっくり話し合えば、わかりあえる」「そのうち、良好な関係になるだろう」と軽視している夫に幻滅し、「わかってくれないなら別れるしかない」と妻は決意を固めていることもありえます。厚生労働省によると、令和4年の調査では婚姻件数に対して離婚率は約35.5%(※2)、3組に1組が離婚している実態からも離婚を望まないのであれば、決して楽観視してはいけません。

今年1月に実施した20〜49歳の既婚女性対象のアンケート調査(※1)によると、離婚を考えた理由の第3位が「夫の家族や親族との折り合いが悪いこと」でした。それらの意見として、「義家族が原因でパニック障害を発症したうえ義姉から嫌がらせを受けている。(30代)」「姑の意見が違っていても間違いを認めない・謝らないのが通常で、要らないものを断っても押し付けてくるのが苦痛だったからです(40代)」と、性格の不一致におさまらず、心身共に支障をきたしています。

取材に応じてくれた山田さんは、義実家問題で夫婦間で言い合いになったり、溝ができたりすることを気に病む妻に「“お義母さんが私に〇〇した”とお義母さんを主語にすると、男性は自分の母親を守ろうとします。“私が”嫌な思いをした、傷付いた、助けてほしい、あなたにはわかってほしい、と伝えた方が男性にはわかりやすいかもしれません」と提案。

嫁姑&義実家問題での板挟みに苦慮する世の中の夫に、「結婚は2人で新しい家庭を作ることであり、自分たち家族の中に妻を招くことではないことを肝に銘じてほしいです」と訴えます。

(※1)離婚したいと思ったきっかけは?既婚女性2,993人に離婚のアンケート
調査対象: 20歳〜49歳の既婚女性2,993人
調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ
調査日 : 2024年1月5日(金)~2024年1月6日(土)
出典:ベンナビ離婚(https://ricon-pro.com/columns/647/

(※2)令和4年(2022)人口動態統計(確定数)の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei22/dl/02_kek.pdf

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