『ブギウギ』愛助が病死し、スズ子が出産…壮絶シーンを演じた趣里、水上恒司、小雪の「役者魂」

佐野 華英 佐野 華英

『ブギウギ』(NHK総合)が第18週「あんたと一緒に生きるで」で最も悲しい局面を迎えた。本日2月1日放送の85話で、大阪の病院で長らく闘病していた愛助(水上恒司)は、とうとう最愛のスズ子(趣里)と、ふたりの間に授かった子どもに会えることなく、亡くなってしまった。まるで愛助の生まれ変わりのように、スズ子が愛娘を産むというこの壮絶なエピソードと、スズ子を演じた趣里、愛助を演じた水上恒司について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。

悲しい週だからこそ、前室での水上恒司のいつもの談笑が心に残った

「趣里さんにとっても水上さんにとっても、18週を通してとても難しいシーンの連続だったと思うのですが、今までの積み重ねがきちんとあるので、おふたりとも自然な感じで撮影に入っていただけました。これまで愛助を演じていただいた水上さんが、『愛助としての思い』や、その瞬間に感じたことを素直に表現しておられたように思います。とても悲しい週なので、水上さんが前室でいつものように談笑されていた姿が印象に残っています。愛助が最後にスズ子への手紙を書くシーンでは、カメラが回ると『これが最後だ』という気持ちが強く入って、集中されているという印象でした。水上さんはスズ子のシーンとは違うパートで撮影に入りますので、会いたくても会えないスズ子への思いをしっかり乗せて演じていただけました」

 一方、愛助と引き離されたまま、独りで出産をしたスズ子を演じた趣里についてはこうふり返る。

「18週は、展開としてはとても劇的なのですが、趣里さんのお芝居のなせる技で、スズ子の自然な様子が描けたのではないかと思っています。愛助と離れ離れで心細いなか、独りで出産を迎えるスズ子の置かれた状況をしっかりと感じ取って、演じていただけました。おふたりの演技により、スズ子と愛助、両方の気持ちに共感できる仕上がりになっているのではないかと思います」

母親としての葛藤が自然にあふれ出たトミの芝居

 加えて、一人息子を見送ったトミを演じた小雪の演技についてもふれ、

「小雪さんも、演技プランとして『こうしよう』とか『ああしよう』ではなく、死にゆく息子・愛助を目の前にして、ごく自然に、どんどん母親の気持ちになっていったと、ご本人が語っておられたのが印象的でした。小雪さんが水上さんのことを「本当の息子みたいで」と常々おっしゃっていたように、親子としての関係がしっかりと出来上がっていたからなのでしょうね。病室のシーンでは、トミの母親としての葛藤がとてもよく出ていたと思います」

 と、熱演を称えた。無事娘を出産したものの、愛助の死をまだ知らされていないスズ子。明日の86回では、どんな展開が待ち受けているのだろうか。

   ◇   ◇

『ブギウギ』
【出演】趣里 水上恒司/草彅剛 蒼井優 菊地凛子 生瀬勝久 小雪 水川あさみ 柳葉敏郎 ほか
【主題歌】「ハッピー☆ブギ」中納良恵 さかいゆう 趣里
【脚本】足立紳 櫻井剛
【音楽】服部隆之
【語り】高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)

【放送時間】
▽NHK総合
毎週月曜~土曜 前8:00~8:15/(再)後0:45~1:00(※土曜は一週間を振り返り)
毎週日曜(再)前11:00〜11:15
翌・月曜(再)前4:45~5:00(※日曜、翌・月曜は、土曜版の再放送)
▽NHK BS・NHK BSプレミアム4K
毎週月曜〜金曜 前7:30~7:45
毎週土曜(再)前9:25〜10:40(※月曜~金曜分を一挙放送)

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