営業担当者の言葉を鵜呑みにして購入した、6000万円の新築マンション 落とし穴は「駐車場」にあった

ヨシダ コウキ ヨシダ コウキ

みなさんは車を普段使っていますか?都心では車を持たない人も多いかと思いますが、多くの人にとっては生活になくてはならないものだと思います。マンション購入時には、車を止めておく駐車場のことで、思わぬ問題が起きることもあります。

モデルルームを見て乗り気に

Oさん(中部地方在住、30代女性、食品製造会社事務)は夫(30代、証券会社勤務)との二人暮らしです。Oさんは最近、雑誌で「新築マンション」が特集されているのを見て、住まい探しに興味を持つようになりました。

インターネットで希望している都心エリアの新築物件を探してみると、まだ完成していないけれどモデルルームが用意されている新築マンションを見つけ、問い合わせをして行きました。

最初は模型を見ながらマンションの説明を受けました。外観や共用部の完成予想模型はライトアップされたり、緑が配置されていたりして、とても綺麗につくられています。その後、部屋のイメージができる場所に案内してもらいました。

設備は、食洗機やディスポーザーがついているキッチンが自慢のようです。収納も文句なく多く取り入れられており、とても高級感を感じるつくりなっていました。正直この時点で、ここのマンションを購入したい気持ちはかなり上がっていました。

ただ、金額は6000万円。新築マンションでは普通かもしれませんが、やはり金額に戸惑ってしまいました。しかし、営業担当者にローンのことなど資金計算を丁寧にしてもらえたので、夫とも相談して購入に進むことにしました。

まさか、駐車場がないとは

それからしばらくして、「駐車場の抽選があるので参加しますか?」との連絡がありました。Oさんは通勤が車の為、1台車を所有しています。

営業担当者には全住居の7割しか駐車場がないとの説明を受けていました。ただ、その時は「駐車場の希望者が多い場合は抽選をする必要があるけど、都心エリアで車を所有している人は少ないから大丈夫」と言われていたため、そこまで気にしていませんでした。

しかし後日、「抽選から外れたので敷地内の駐車場は使えない」という連絡がありました。それを聞いたときは、驚きと同時に、だまされたような気持ちにもなり、怒りもこみ上げてきました。

抽選に外れてから、営業担当者には「駐車場は大丈夫だと聞いたから購入に進んだ」と訴えましたが、「規約ですので」の一点張りで取り合ってくれませんでした。「それならば、近隣の月極駐車場を探してほしい」と頼みましたが、そういったことはしていないようで、不親切さにも心底がっかりしました。

その後、自分で近くの月極駐車場をみつけましたが、徒歩5分と歩かなくてはいけないので雨の日は不便です。さらに、駐車場代は月々2万円。マンションの敷地内なら月々1万円だったので、そういった点でも不満を感じています。

自分の生活には車は欠かせないので、駐車場のことをもっと気にして物件選びをすれば良かったとOさんは話しています。

   ◇   ◇

このようなトラブルはよくある事なのでしょうか?

アルファホーム名古屋株式会社でマンションコーディネーターとして、不動産仲介も担当している川本麻登さんにお話を聞きました。

全住戸分の駐車場は用意されていないことが多い

ーー駐車場がないということはよくあるのでしょうか?

これはマンションによってさまざまですね。ですが、Oさんのように全住戸分はないところが多いです。そういったマンションでも2年に1回抽選があったり、もしくは空くまでずっと敷地内が使えなかったりなどこれもマンションのルールによってさまざまです。

ーーOさんのように敷地外に借りざるを得ないのに、金額まで高いのは不公平ですね。

実際そうなってしまうパターンは多いかと思います。中古マンションであれば購入した時に空いていないことは多いですからね。ただ、私が知っているマンションでは、敷地外の駐車場を敷地内が空いてなくて借りている人は、その金額差分をマンションで補助して助け合っているマンションもあります。

もし今購入するか悩んでいるマンションで、駐車場が必須で近くで借りるしかない状況の人は不動産担当にそういった制度をとっていないか確認してもらうのもいいかもしれませんね。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社 マンションコーディネーターhttps://alphahomenagoya.jp/

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