あるスーパーのレジに貼られていた「お断り」が話題です。貼り紙はペットボトルを手にした女性店員のイラストとともに「従業員も水分補給をさせていただいております」と書かれています。
「スーパーのレジに、これ貼ってあるんだが、未だに理解できない」「世界中で日本くらいだろな、こんなくだらないクレーマー対策は」と非鉄(アルミ)商社マンのアルニムさん(@AluminiumMania)がX(旧Twitter)に投稿すると、「客じゃなく、クレーマー」、「『水を飲みながら仕事するとは何事だ!』と言う客がいる証拠だね」と驚きの声が上がりました。なぜ店員が水を飲む「お断り」を掲げたのでしょう。スーパーに聞きました。
アルニムさんが貼り紙を見かけたのは都内のスーパーマーケット。仕事柄、中国や韓国、東南アジアなどに行く機会がありますが、日本の顧客サービスは際立っていると感じてきました。
レジ店員が水を飲むことにも「お断り」を必要とする姿勢には「ちょっと客を神様扱いしすぎ」と驚いたといいます。
スーパーに貼り紙設置の理由を聞きました。
ーいつから掲示を?
「新型コロナウイルスが流行した数年前の夏です。レジは飛沫防止のビニールで囲まれ、マスクをしなければならず、例年以上に暑さがこもる過酷な労働環境でした」
「それまでは休憩時間に水分補給をすませるルールでしたが、コロナ禍の暑さ対策のために、レジ内でも水分補給を認めるようになりました。貼り紙は、他のスーパーが同様の貼り紙をしていたので、それをまねたんです。東京のスーパーでは『水分補給をさせていただいております』という貼り紙はよく見かけますよ」
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現在、レジ店員のマスク着用は必須ではなくなりましたが、レジ内での水分補給はOKのまま運用しています。スーパーの担当者は「今後、水分補給を休憩時間のみに戻すかどうかは未定です」と話していました。
海外ではガムを噛んだり、店員同士でギャハハと笑い合ったり、商品を放り投げたりするレジ店員も珍しくありません。
貼り紙の投稿を見た人たちは「仕事時間中は食事はおろか、水も飲んではならない謎ルール」「消防署や警察の人が、コンビニでお昼ご飯を買うだけで、文句が来る時代ですからね」「『お客様は神様です』は呪いの言葉」と厳しすぎる日本の接客ルールを嘆く声が寄せられていました。