気温はマイナス10度「朝までの車中泊、耐えられるか」JAFが実験動画、冬山用寝袋・毛布・カイロがあっても寒い?

まいどなニュース調査部 まいどなニュース調査部

冬の車中泊など、「アウトドアが好きな人」がすることで、自分には関係ないと思っている人も多いかもしれません。けれども、「災害の中、いろいろな理由から避難所を利用できない」「大雪で立ち往生して、否応なしに車中泊を強いられた」など、さまざまなケースで車中泊を経験する場合があるかもしれません。実際に能登半島地震では、ペットと一緒に避難所が利用できず、車中泊を続けているケースが報道されています。

JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)の公式Xアカウント(@jaf_jp)では、「厳冬期の車中泊。寒さをしのぐ対策は?」という投稿で、「極寒時に車内で一晩すごすことができるか」という実験の様子をYouTubeで紹介しています。

4パターンの状況を用意した本格的な実験の結果は?

JAFの実験は、4パターンの異なる状況を用意し、寒さに耐えられなくなった時点でギブアップをするというもの。夜の23時から朝の7時までの8時間の実験です。条件を揃えるため、服装はダウンジャケットとジーンズで統一しました。排ガスによる一酸化炭素中毒やガス欠の危険性を考え、エンジンを止めた状態でスタートしました。

▽Aさん:対策なし
▽Bさん:毛布と使い捨てカイロ
▽Cさん:冬山用の寝袋
▽Dさん:エマージェントシート(緊急時に体温保持のために使うアルミシート)

外気温がマイナス10.2度の中、実験開始時25度に設定された車内温度は開始30分で10度以上下がり、2時間45分経った頃に対策なしのAさんがギブアップしました。この時の車内温度は1.8度。次にギブアップしたのは、エマージェントシートを利用していたDさん。5時間半ほど経っていましたが、車内温度マイナス3.9度には耐えられなかったそうです。毛布と使い捨てカイロを持っていたBさんと、冬山用の寝袋を持っていたDさんは実験終了の8時間を経過することができました。

「寝袋」や「毛布と使い捨てカイロ」があっても…一晩耐えるのはきつい…

実験では、何らかの対策をしていなければ、冬の車中泊は耐えられないということがわかりました。「寝袋」や「毛布と使い捨てカイロ」あれば何とか8時間耐えられましたが、それでも「きついかな」と感じたそうです。「エマージェントシート」は、通気性がないぶん最初に汗をかいて逆に冷えてしまったとコメントしています。

Dさん(エマージェントシート)は「シートがかかっていない顔や足先が冷える」と言っており、Bさん(毛布と使い捨てカイロ)も「足と鼻が冷たい。カイロがあったから過ごせた」と言っていました。Cさん(冬山用の寝袋)も、「朝までいけるかと思ったけれど、朝方になってきついかなという感じ」「顔が寒い」「冬は(車中泊は)出来ないかな」との感想を述べていました。「寝袋」や「毛布と使い捨てカイロ」にプラスして足や頭を温める対策が必要なようです。8時間経過した朝7時の外気温はマイナス12.9度、車内温度はマイナス7度にまでなっていました。

JAFの動画では、「毛布などの用意がなくエンジンをかけて暖房を使う場合は、一酸化炭素中毒の危険を考えて、頻繁な換気やマフラー周りの除雪が必要」「外より車内のほうが温度が高いので、荒天時は無理に外に出ない。車内で天候の回復や救援を待って」と呼びかけています。冬の車内には、万が一に備えた「毛布」や「カイロ」などの他に、除雪用の「スコップ」などを搭載しておくことが必要なようです。

出典:JAF公式アカウント「厳冬期の車中泊。寒さをしのぐ対策は?」
https://twitter.com/jaf_jp/status/1745717247769747690

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