ウソの住所で「助けて」…デマがXで続出、なぜそんな投稿を? 真偽の見分け方が話題に

宮前 晶子 宮前 晶子

元日の夕方を襲った能登半島地震の被害状況が少しずつ明らかになってきています。X(旧twitter)を中心に被災した人から現地の様子や救助をお願いする投稿が相次ぐなか、拡散目的でウソを投稿する人がおり、日本自動車工業会(自工会)の公式アカウント(@JAMA_jpn)は、悪意ある投稿にリポストなどの反応をしないように注意喚起をおこなっています。

偽りの住所で救助を要請したり、地震関連のキーワードを盛り込む人や、過去の写真をあげて地震の被害者を装う人がおり、Xでのトレンドでも「デマ情報」が上位に入り込むような状態となっています。

日本自動車工業会は、嘘の投稿からの救助要請は、消防や救急の妨げになり、却って多くの方を危険に晒すことを訴え、
■アカウント開設年月
■過去投稿
■実在の住所か
■そこに居住/来訪していそうか
を確認した上で、リポストや救助要請を行なうことを呼びかけています。

なぜデマを広めようとするのか

Xでは「家屋の下敷きになり、身動きが取れない」といった緊急を要する投稿のほか、元自衛隊員のお笑い芸人・やす子さんが防寒対策を紹介するなど役立つ情報もあります。そんななか、なぜそんなデマを流す人がいるのでしょうか? その背景にはイーロン・マスクが2023年に発表した広告収益を分配する有料サブスク機能が関係しています。

以前は青バッジ(青のチェックマーク)は、有識者や有名人の証でしたが、「著名で信頼に値するアクティブなアカウントであること」といった審査はもうおこなわれていません。現在、青色のマークをつけているのは有料課金ユーザーです(一部例外あり)。自身の投稿の表示回数=インプレッション数が収益化に大きな影響を与えるため、なかには報酬目当てに、被災者を装い、地震の被害状況や救助要請などを投稿する人がいるのです。そうして、他者の善意による拡散を促して、「インプレッション稼ぎ」をしているのです。

ほかには、あえて有益な情報に、関係のない情報をリプライすることでインプレッション稼ぎをする人もいます。そこで、ご自身が有益な情報を連投したい場合は、コメント欄を閉じるのもひとつの手段です。また、そういった投稿を見つけた方は、今後はそのアカウントからウソの情報が流れてこないようにブロックすることが将来の防衛手段となります。

事実ではない投稿は、本当に助けが必要な人に対する適切な救助・支援を遅らせることにもなります。第三者が通報することで現場が混乱するケースもあります。「良かれ」と思った被災地や被害状況についての投稿のリポスト・リプライには慎重な対応を心がけてください。

最後に注意しておきたいのが、決して青のチェックマークが悪いわけではありません。長い文章の投稿、投稿後の編集といった多様なサービスが目的の方も多くいるので、しっかり真偽を見極めてください。

Xの公式サイトでは、金色であれば「「X認証済み組織」サービスを通じて、Xに公式に認証された事業者」、グレーであれば「政府機関や多国間機関、またはその関係者のアカウント」であると、説明しています。正しい情報を把握したい方は、公的機関から発表される情報の収集につとめてください。出どころの不明確な投稿や情報に惑わされることのないようにしましょう。

■日本自動車工業会(自工会)公式 X(旧twitter) @JAMA_jpn

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