関西圏を中心にノラ猫や保護猫の専門としてサポート活動をしている「ねこから目線。」。こちらには猫が絡む問題への支援に取り組んできたキャリアのあるスタッフが在籍し、ノラ猫の保護や去勢・不妊治療、講演会などに精力的に取り組んでいます。
2023年10月には福岡・久留米を拠点とするチームも開業しましたが、早々に迷子猫の捜索依頼が入りました。迷子になったのは茶トラ模様の猫・銀助くん。飼い主さんと一緒に2週間ほど前にこの地に引っ越してきたばかりといいます。
脱走後24時間以内にサポート会社へ連絡
引っ越してきてからの銀助くんは新しい家になかなか馴れず、毎日鳴いていました。心配した飼い主さんは落ち着かせるため、ハーネスをつけて近隣を散歩させることにしたのですが、散歩の途中でハーネスをすり抜けて脱走。捕獲してくれるところを探したところ、「ねこから目線。」福岡久留米チームにつながったそうです。
不幸中の幸いだったのは、脱走してから24時間以内に連絡があったこと。脱走猫は、遠くに逃げていくことはなく近隣で潜んでいるケースが多く、短時間での連絡も捕獲率アップの重要ポイントです。
「ねこから目線。」福岡久留米チームのスタッフはすぐに飼い主さんの家を訪れ、まずはヒアリング。その後、周辺での目視確認と脱走地点でのエサとカメラを設置。迷子猫ポスターも作成し、近隣の200軒ほどにポスティングすることにしました。飼い主さんも近隣の方々に聞き込みを開始。すると、「銀助くんらしき猫を見かけた」という証言を得ることができました。
近隣住民たちが捕獲器設置を了解してくれた
「銀助くんらしき猫を見かけた」という方は、自宅にエサと捕獲器の設置を快諾してくれました。その話を聞いた隣の家の方も「それは大変」と快く了解してくれました。この寛容な対応に飼い主さん、「ねこから目線。」福岡久留米チームのスタッフは感謝の気持ちを伝えました。
問題は銀助くんが捕獲器に入ってくれないこと。前もって設置したカメラにはその姿が確かに映っているものの、捕獲器には入ってくれないのです。銀介くんは相当なビビリさんのあるようで、見馴れない格子状の捕獲器にも警戒しているのかもしれません。
「ねこから目線。」福岡久留米チームのスタッフは作戦を変更。それは「捕獲器ブルーシート覆い作戦」というものでした。
「捕獲器ブルーシート覆い作戦」で無事保護!
この日の天候は雨。当然、猫も雨を嫌い、どこか雨宿りをする場所を探すはずですが、さらにその場にエサがあれば銀助くんにとって申し分のない環境です。雨に濡れないよう捕獲器をブルーシートでおおい、ご飯もいつもより多めに設置することで入ってくれるはずだと期待しました。
すると、設置の翌朝に見事銀介くんが捕獲器の中にイン。無事に保護することができました。
不安だらけだったのは飼い主さんも同じ
銀助くんを保護した後、飼い主さんと「ねこから目線。」福岡久留米チームのスタッフは協力してくれた近隣の方々に報告とお礼のあいさつに回りました。自分ごとのように「良かったね」と喜んでくれる方々を前に、飼い主さんは胸が熱くなりました。
引っ越してきたばかりで不安だったのは、銀助くんだけでなく飼い主さんも同じ。そんな中での地域の方々の心温まる対応を受け、「こんなに優しい人たちがいる地域に引っ越してきて本当に良かった」と思いました。
無事に家に帰ることができた銀助くんも、次第に新しい家に馴れたのか、今では鳴くことは収まり家の中でリラックスしてゴロゴロと寝転びながら過ごしていると言います。銀助くんもきっと、優しい人たちがいるこの地域をすっかり気にいったのかもしれませんね。
ねこから目線。
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