酸っぱいみかんを美味しく食べられるうえ、栄養価もアップ?!
ーー三ヶ日では、焼きみかんという食べ方は、一般的なのでしょうか?!
「これは……実のところ、よく分からないんですよ。三ヶ日エリアではあまり一般的ではない食べ方だと認識しておりますが、昔おばあちゃんにつくってもらったというような話や、家にストーブがある家庭ではされている方も多いと聞きます。ただ、過去に『焼きみかん』がおいしいと話題になりまして。JAみっかびの女性部に協力していただき検証しました」
ーーなるほど!実証されたんですね。実際にみかんを焼いてみて、どうでした?!
「これが、とても甘くなるんですよ!みかんの糖度は、加熱することでグンとアップし、生の状態と比べて平均で1度以上糖度が上がると言われています。さらにみかんを加熱すると、酸味が抜ける効果も。酸味が強く生ではあまり美味しくないと感じるような場合には、加熱によってみかんの酸が抜けて甘くなるため、美味しく感じられるようになることも!」
ーーということは、みかんの味が「酸っぱ過ぎるもの」「味がぼやっとして大味だ」と感じる時は焼くのもオススメということですね?!
「まさにそうです!甘くなる理由は、水分が飛んで、味が甘く・濃厚に感じられるようになるからなんです」
もちろんそのままいただくのがおいしいみかん。ただ、「焼く」と新しいおいしさが生まれることがあるようです。栄養面でも、食物繊維を吸収しやすくなるなど、いいこともあるようです。
「ペクチン」はみかんに含まれる食物繊維の一種です。整腸作用があることで知られる食物繊維のうち、水に溶けやすい「水溶性食物繊維」であるペクチンには便を軟らかくして排便をスムーズにする効果が期待できます。また、糖質の吸収をゆっくりにすることで血糖値の急上昇を抑える働きも、ペクチンをはじめとする水溶性食物繊維の作用です。みかんのペクチンは、薄皮や白い筋ごと食べることでより多く摂取できますよ。 果物のジャムを作るときにペクチンを加えるという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。砂糖や酸と一緒にペクチンを加熱することによって、とろとろのゼリー状になることが知られています。 そんなペクチンは、砂糖や酸と一緒にペクチンを加熱することでとろとろのゼリー状になることが知られています。果物のジャムを作るときにペクチンを加えるという話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。果糖をはじめとする糖質とクエン酸を含むみかんを焼くことで、まるでジャムのようなとろみと甘さが味わえます。 食物繊維の含有量は加熱によって減少することはないため、焼きみかんにしてもそのまま食べるのと同じ量の食物繊維を摂取できます
みかんに含まれる成分として忘れてはならない重要な栄養素のひとつがビタミンCです。水溶性ビタミンであるビタミンCは、文字どおり水に流出しやすい性質がありますが、焼きみかんは「皮ごと」焼くため、ビタミンCが流出する心配はありません。 また、熱に弱いともいわれるビタミンCですが、茹でる以外の加熱調理の方法では損失がさほど大きくないといわれています。 ビタミンCの摂取に関しては生で食べるに越したことはありませんが、焼きみかんもビタミンCを効率よく摂取できる食べ方のひとつであるといえますね。
みかんは皮ごと丸ごと焼くことがポイント!
作り方はいたってシンプル。
みかんを洗い、皮ごと焼くだけ。ただ「皮ごと焼く」ということが大切なようです。
トースターや魚焼きグリル、フライパンなどでお試しいただけます。 みかんの栄養を存分に吸収するためには、皮ごと食べるのが最も効果的です。可能であれば無農薬栽培のみかんを用意し、そうでなければしっかりと下処理を施して、皮ごとみかんを食べてみましょう! 下準備 みかんを強く洗います 農薬やワックスが心配な方は、熱めのお湯に約1分間つけておきます みかんの栄養価が最も高いのは皮の内側の白い綿状の部分、アルベドだと言われています。食物繊維が豊富に含まれているほか、ビタミンや、「ヘスペリジン」という成分の含有量が圧倒的に高いことで知られています。
家庭で焼く場合は、トースター(焼き時間600〜800Wで3〜5分)や魚焼きグリル(中火で6〜10分)を使うのが手軽だそうです。この時、焼き色を見ながら焼き時間を調節することがポイントとなります。取り出すときは、くれぐれも火傷に気を付けてください。みかんの皮は熱くなっているため、厚手の手袋やミトンを使うのがおすすめとのこと。
今回、取材に協力してくれたJAみっかびの「三ヶ日みかん(みっかびみかん)」は、浜名湖北岸の静岡県浜松市三ヶ日町を中心に生産されている、人気のみかんブランドです。300年以上前から守り続けているみかんづくりの歴史に、多くの生産者の方の研究と努力、そして恵まれた風土から、三ヶ日みかんの特徴でもある「甘みと酸味の絶妙なバランス」「まろやかなコク」が生み出されました。
そんな三ヶ日みかんの美味しさがぎゅっと詰まったJAみっかびの主力品種「青島みかん」は、11月の収穫後貯蔵庫で保管して糖酸比を整え、まろやかな味わいに仕上げます。その貯蔵技術と貯蔵性に優れた品種の特性から、2月中旬まで美味しい状態で出荷できるそうです。そして2021年からは、AI技術を駆使した「新柑橘選果場」にて選別されるように!より確かな品質の商品が楽しめるようになりました。
そんな三ヶ日みかんのおいしさの秘密が楽しめるブログもぜひチェックしてみてください。
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CoCo美漢方 田中 友也です。
https://twitter.com/mococo321
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