平清盛ゆかりの湯として親しまれる神戸の老舗温浴施設「湊山温泉」が、ゆるくて面白い“へっぽこ”な鏡広告を募集している。人呼んで「へっぽこ鏡広告バトルロワイヤル」。集まった広告のどれが一番“へっぽこ”か、人気投票で決めるのだという。
鏡広告は古くからある広告手法。銭湯の洗い場で目にしたことがある人も多いだろう。廃業の危機を乗り越え、あの手この手の奇策を弄して生き残りを図る湊山温泉が、次に目をつけたのがこの鏡広告だった。
「やったるで」と意気込む店長の阿部大さんに聞いた。
—「へっぽこ広告」とは?
「ダサいけど愛らしい、際どいけどギリギリセーフ、見切り発車感がある…など、思わずツッコミを入れたくなるような広告のことです。お風呂なのでゆるく考えてください」
—あえて「へっぽこ」を謳う理由は
「ゆったり裸でいられるお風呂に、難しさもクオリティも必要ないでしょう。脱力、へっぽこくらいがちょうどいいんですよ」
—広告主のターゲットは?
「誰でもいいですよ。地元の中小企業でも世界的企業でも個人でも。まいどなニュースさんも出したらどうですか」
—適当すぎる
「クオリティは二の次ですから、そこは厳しく審査させていただきます。手書きでもなんでもいいですよ。ボールペンの走り書きとかでも全然構いません。子供に絵を描いてもらってもいいんじゃないですか」
—ちょっとよくわかりませんが
「おーん、例えば『ちんぽ出しても怒られない/湊山温泉』とか『ロークラス転職ナンバーワン/ピッツァリーチ』とか、まあ、そういう感じですよ。難しく考えないで今すぐ応募しましょうね」
—でも…、お高いんでしょう?
「11260円です。“いい風呂お(んせん)”と覚えてください」
—優勝したら何かいいことがあるんですか?
「湊山温泉の全ての鏡(女風呂18、男風呂15)をジャックできます!記念の賞状もお渡ししますよ。欲しいでしょう?」
—応募ありますかね?
「何を隠そうワタクシ阿部大、あと数日で51歳になるのです。誕生日プレゼント感覚で応募してくれてもよくないですか?どうかよろしくお願いいたします」
—何を言い出したの
◇ ◇
広告の募集期間は11月28日まで。人気投票期間は11月30日から12月19日。広告のサイズは縦140mm、横420mm。応募作品は湊山温泉が防水紙・インクにて印刷、看板加工し、展示作業も行う。応募は湊山温泉の公式サイトやXアカウントから。