消灯時間を過ぎてもお隣のテントがパーティー状態 キャンプ場で困ったマナー違反…どうすればいい?【アウトドア専門家に聞く】

ヨシダ コウキ ヨシダ コウキ

大自然の中で行うキャンプにもルールはつきもの。広いキャンプ場だからといって何をしてもよいわけではありません。近年はキャンプブームもあり、新しくキャンプを始める人が増えてマナー違反が増えているようです。

子どもが喜ぶからと始めたキャンプ

Iさん(30代、千葉県在住、主婦)は2年前に家族でキャンプをはじめました。元々は小学生の子ども(8歳息子、10歳娘)がコロナ禍で外出できないのがかわいそうだと思ったことが理由で、夫に何かできることはないかと話し合ったことがはじまり。

結婚前に何度か友人を交えてキャンプをしていた経験もあり、2人とも乗り気でスタートしました。

県内でも都心部に住んでいてこれまで自然と触れ合う機会が少なかったため、子どもが喜ぶか不安でした。初めは慣れない虫や土を触ることに少し抵抗感が合ったようですが、テントを設営する頃には、2人とも喜んで遊んでいました。

特に、焚き火をしながら眺める星空が気に入ったようで、帰り道に本屋さんに寄り、星空図鑑を買って「あれは〇〇座だったんだね」と話していました。

今では月に1回はキャンプに行くほどのアウトドア好きになってしまいました。

いつものキャンプ場で騒がしいグループが

キャンプに行き初めの頃は毎回違うキャンプ場に行っていたのですが、慣れてきた今はお気に入りのキャンプ場所ができて通っています。

そのキャンプ場は、昔からあるキャンプ場で70代くらいの老夫婦が運営をしています。サイトが広く、街灯も必要最低限で、星空がよく見える場所です。予約が取りづらいことがあるキャンプ場が多い中、いつも空いているので穴場的なキャンプ場でもあります。

夕方になると管理人さんは近くの家に帰ってしまいますが、慣れたキャンパーさんが多く、普段は特にトラブルもありません。

子どもが夏休みに入り、早速いつものキャンプ場を予約。キャンプ場に着くといつもより、人が多いと思ったものの、何事もなくテントを設営して、晩御飯を作って、焚き火を眺めてといつものキャンプを楽しんでいました。

そのなかで悪目立ちしていたのが、私たちの隣の大型サイトでキャンプをしていたグループ。昼間からたくさんのお酒を飲んでいるようで、音楽をかけるのが禁止なのに大音量で音楽を流して宴会をしていました。うるさいとは思いながらもトラブルになるのが嫌で我慢していましたが、消灯時間の10時前になっても宴会は終わらず、なんと焚き火に薪を追加していました。

ファミリーのベテランキャンパーとトラブルに

しかも焚き火だけではなく、大型のLEDランタンでサイトの四角を照らして、そこのサイトだけ明らかに浮いています。

眩しいし、うるさいと思いながらも、消灯時間も過ぎているから「いつか静かになるだろう」と床についたものの、宴会は終わることはありません。子どもも眠たいと言っているけども眠れるわけがありません。

少しうとうとし始めた0時ごろ、今度は言い争いが聞こえています。どうやら近くのサイトでキャンプをしていた、ベテランキャンパーさんが、止めるように怒鳴りに行ったようで、その言い争いは30分ほど続きました。

怒られたにもかかわらず、宴会はつづき、静かになったのは深夜2時ごろ。流石に子どもは疲れて寝てしまいましたが、翌朝起きてくるのが遅く、眠いと言っていました。

騒音や眩しさが気になって、楽しみにしていた星空鑑賞もできませんでした。

チェックアウトの際に管理人さんに「昨日はうるさかったみたいでごめんね」と謝られましたが、悪いのは隣の人たちです。

楽しみにしていたキャンプなのに

このようなトラブルがよくあるでしょうか?また、対策などはあるのでしょうか? Webメディア「キャンプクエスト」でアウトドアライター・キャンプインストラクターとして活躍している岩本利達さんにお話を伺ってみました。

ーーこういったことはキャンプあるあるなのでしょうか

マナーを遵守する方であればあるほど「あるある」と思う事でしょう。例え一泊だとしても他人と長時間同じ空間で過ごすという事なので、ご近所トラブルというのはキャンプを続けていくとよくある事です。

ーーこのような時、なにか対応策はあるのでしょうか

注意をしに行ったベテランキャンパーの方は褒められるべきですが、このケースの様に別のトラブルに発展する事もあります。夜間の連絡先があるキャンプ場であれば遠慮なく連絡してください。そうでない場合は、警察に相談するというのも手です。とにかく、当事者同士だとこじれる場合があるので、直接注意するのだけは避けましょう。

ーー同じようにルールを守らないなどで、迷惑に感じられるような行為はありますか

挙げると様々なケースはありますが、気づかずに迷惑を掛けているケースとして「焚き火の火の粉問題」があります。隣のサイトとの距離が近すぎて火の粉が飛んでしまい、穴を開けてしまったという話もよく聴きます。他にも生ごみや食材を放置する事で野生生物が来てしまう事もあり、これも他のサイトに迷惑をかける可能性が高いですね。

ーーお互いに迷惑をかけないように心がけることはありますか

基本的にはキャンプ場のルールを遵守する事が第一です。それ以外にもお互いが気持ちよくキャンプに出来る様に、相手の立場に立って行動する事も求められます。また、その場にいる全員がマナーをきっちり守っていれば、マナーが悪いキャンパーも浮き彫りになり、目立ちます。普段からルールやマナーをしっかり守ってキャンプをすることが、迷惑なキャンパーを減らす事にもなるのです。

◆岩本利達(キャンプクエスト・NEWS編集部)
本業のかたわらアウトドアの専門家として活動。Webメディアのライターの他にも、アウトドアギアの開発やキャンプをフックにしたビジネスをサポートする。キャンプ歴は12年。
https://camp-quests.com/author/t-iwamoto/

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