栃木県の山中でキャンプ場を営むオーナーの男性(47)が、ツイッターに「1年半キャンプ場を運営してきて、最高に悲しく寂しい午後でした」と記し、ある写真を投稿した。ばらばらに壊れた石油ストーブが、落ち葉の上に散乱している様子。オーナーは、山火事になってもおかしくない状況だったといい、「場内が火事にならず、お客様が誰も傷つかなかったことが救い。ただ、事が収まったとしても報告してほしかった」とマナーの大切さを訴える。後日、宿泊客からは謝罪の連絡が届いた。
石油ストーブの散乱が見つかったのは11月13日。大人と子どもの6人グループが宿泊した翌日の朝だ。別のお客さんから「オーナー、小川に石油ストーブ置いていますか?」と聞かれて発覚した。何のことか一瞬理解できずに小川に向かうと、灯油タンクが放り出されたストーブがあった。オイルのにおいが香り、ストーブの一部は黒焦げでスイッチが溶けた状態。オーナーは「使い方を間違って、点火した状態で灯油タンクを外したか、何かしら燃えるものがストーブに飛び散ったか…」と推測する。
近くにはオイルランタン、たばこの吸い殻、マスク、食事に使ったプラスチック製のスプーンなど、多くのごみが捨てられていた。
受け付けの時は「若くてやんちゃな感じだったので身構えた」とオーナー。しかし、夜も静かに過ごしてくれていたため、人を見掛けで判断してはいけないと感心。マナーも素晴らしいと感じていたという。だが、翌日にストーブの散乱が発覚。マナーのよさに感心していたからこそ、放置して帰ったことが悲しかったという。普段はキャンプ場の紅葉状況や何気ない日常をツイッターに投稿していたが、放置して帰られたことにショックを受け投稿を休止。翌日にストーブ散乱の件をツイートした。
「間違いや失敗は誰にでもあるので、大惨事になりかねなかったことに、私は怒っていません」とオーナー。初心者では道具の使い方が分からないのはよくあることだとし、「でも、事が収まったとしても報告してほしかったし、何より放置して帰られたのが悲しかった」と話す。ただ、ほとんどのキャンパーのマナーはよく、このようなことは珍しいとも強調する。
宿泊客から謝罪の連絡
オーナーのツイートは瞬く間に拡散され、15日昼には宿泊した客から謝罪のショートメッセージで連絡があった。直接謝罪し、ストーブやごみの回収をしたいとの内容だったといい、オーナーは「悪いことをしたと理解してくれただけでほっとした。二度とないように反省してほしいと伝えました」と話す。