「父の大事な宝もの」
15年前に亡くなったお父さんの深い愛情を描いたエピソード漫画がX(旧Twitter)で話題になりました。
投稿したのは、フォロワーさんから寄せられた体験談を漫画にしているというババレオさん(@babareoyomeko)。ババレオさんによると、今回登場するフォロワーさんの亡くなったお父さんは、気難しくてぶっきらぼうな性格だったとのこと。それゆえ日頃からたくさん会話をするということはなく、フォロワーさん姉妹に対しては一見無関心に見えたといいます。
ある日のこと、お父さんが会社を休んで寝込んでしまいました…。
子「お父さん! 病院行きなって!」
父「うるせぇ 行かねぇよ 自分の体は自分が一番分かってんだ なんともねぇよ」
子「会社を休むほどなのに…ったくなに考えてんだか もう心配してあげないからね」
しかしその夜、就寝時にお父さんがお母さんにこう声を掛けたのです。
父「なぁ母ちゃん… 明日病院に連れてってくんねぇか…?」
母「うん…そうしな あの子も心配してるもんね」
父「…… なぁ── セカンドバッグ持ってきてくれよ」
母「え…?」
お父さんにはどこに行くにも肌身離さず持ち歩くセカンドバッグがあったとのこと。それをすぐ持ってこいというのです。
母「なんで…? 今じゃなくてもいいでしょ?」
父「いいから持ってきてくれ」
お母さんは仕方なく持ってきたのですが…。
お父さんは枕元に置いただけでそのまま眠ってしまったそうです。
その翌朝、お父さんが目を覚ますことはありませんでした…。
そして葬儀の時、お母さんから亡くなる前日の夜にセカンドバッグを枕元に置いて寝たお父さんの話を聞いたフォロワーさん姉妹。何が入っていたのか? 初めてバックの中身を確認したといいます。
すると、そこに入っていたのは…
「小学校の時にあげた肩たたき券」
「昔描いたお父さんの似顔絵」
「お姉さんが嫁いだ時に宛てた手紙」
フォロワーさん姉妹との思い出の品ばかり。
またセカンドバッグは、フォロワーさん姉妹が父の日にあげたプレゼントでした。
「昔からお父さんは自分なりに愛情表現をたくさんしてくれてたんだ…」
生前のことを振り返りながら、お父さんの深い愛情に気付いたというフォロワーさん。
「もっとたくさん一緒に過ごせばよかった そう思うことが今でもあります
でも今はあの時と同じ後悔をしないようにせめてもと 母との時間を大切に過ごしています」と思いがつづられています。
「思い出と共に。目頭熱くなる」「そんな男になりたい」など感動のコメント続出
お父さんが亡くなった後に、セカンドバッグの中身を見て父の”愛情”を家族が知るエピソード漫画には、涙腺が崩壊する人たちが続出。4万超のいいねとともに、たくさんのコメントが寄せられています。
「思い出と共に。目頭熱くなる」
「いや泣くわ」
「そんな男になりたい」
「俺も娘にもらった手紙は財布やカバンにずっと入れてる まだ字を覚えたての拙い字の手紙 このお父さんの気持ちよくわかります」
今回の漫画について、ババレオさんに聞きました。
──フォロワーさんの亡くなったお父さんのエピソードを描こうと思ったのは?
「不器用なお父さんの秘められた愛にとても心が動かされました」
──15年前に亡くなった、不器用なお父さんの秘められた気持ち。亡くなった後に初めてお父さんの深い愛情を感じたご家族。漫画を通じて読者の皆さんに伝えたいメッセージをお願いします。
「お父さんについて、もう少し分かりやすく愛情を表現してくれたら良かったのに…とも思いますが、不器用だからこそ愛の深さが分かるとも思います。読者の皆さんにもご両親との時間を大切にするきっかけになってもらえたらうれしいです」
──今後もどんな体験談を描いて、投稿したいと思いますか。
「今まで描いたエピソード数はおそらく200件ほど。基本的には不思議な話、心霊体験、感動的な話を描いていますが、これからもその三本柱で描いていきたいと思っています」