ケホッとなったり、味がイヤだったり、子どもが粉薬を飲んでくれない。ある薬剤師さんの助言から、お菓子がお薬用として商品化…その開発秘話を発売元に聞きました。
その名も「おくすりパクッとねるねる」。元となったお菓子は、35年以上にわたるロングセラー「ねるねるねるね」です。
「これ作ったの誰!?天才 信じられるか?薬嫌だって泣いて暴れて飲まない子供が自分で練って喜んで食べるんだぞ ノーベル賞モノだわ」
「薬を飲みやすいようにと、一緒にこれ買ってきました。『なつかしー!』とか言いながら思いの外楽しそうに薬飲んでました」
「すごい 薬飲ませる苦労から解放されたありがとう商品開発」
「試してみたけどすごい!薬大嫌い2歳三男、おいち!って言いながら完食」
「割と苦めの薬で試したけど思ってたよりしっかり味をマスクしてくれたかな。5日分10包入りが欲しいところ」
こちらが発売されるやいなや、早速使ってみた人がX(旧Twitter)に続々と投稿。それまでいかに苦心していたのかが伝わってきます。
そのきっかけとなったのは、小児用製剤の問題が報道されたときに、薬剤師さんが「『ねるねるねるね』を小児の服用に使っている」という手紙を寄せてくれたこと。服薬補助用としての画期的なアイデアを、子どもと妊婦のための病院と研究所「国立成育医療研究センター」との共同研究の成果をいかして、クラシエ株式会社(東京都港区)が開発しました。
発売元のクラシエ株式会社にお話を伺いました。
苦手なお薬を飲むことを笑顔で前向きなものに
「ねるねるねるね」は1986年に発売され、粉と水を混ぜてねっていくと、色が変わってふわふわと膨らむ美味しくて不思議な知育菓子®(以下、知育菓子)です。その色合いや変化からケミカルな印象を持たれることもあるのですが、実は「合成着色料・保存料不使用」と子どものことを考えたお菓子です。
――どういった思いで開発のスタートを?
お子さまが苦手なお薬を飲むことを笑顔で前向きに出来ないか、知育菓子の持つ楽しさ、美味しさが保護者の方の悩み解決に少しでも役立つことを願い、2019年に開発をスタートしました。
――多くの知育菓子がある中でなぜ「ねるねるねるね」を服薬補助食品に?
実際に薬剤師からの声がきっかけではありますが、販売期間が長く認知度が高いこと、ふわふわ膨らんだ物性がお薬の苦味を抑えるのに適していたからです。
――開発途中での苦労や問題点、完成までに工夫した点などは?
一番はお客様に安心して使用していただける品質設計の部分です。薬剤師の先生方をはじめとした様々な方々のアドバイスやご協力を頂きながら、服用時に薬の溶出や吸収を妨げないことを確認する試験を行い、お薬との相互作用がない成分のみを使用し、問題のない設計としました。
また、アレルギー物質不使用(※)の品質設計にし、多くのお子さまや保護者の方が安心して使えるようにしました。楽しくお菓子感覚で服薬補助が出来る「ねるねるねるね」となっています。
※アレルギー表示義務・推奨の28品目不使用。同商品は小麦・卵・乳を使用した設備で製造しています。
――2023年1月に先行して限定販売されたそうですね。
お子さまの服薬に悩みを抱える保護者や医療関係者の方から予想以上の反響を頂きました。「お子さまが『ねるねるねるね』が好きだから」と購入いただいた方も多く、「子どもがお菓子と同じように自分で作って、楽しみながらお薬を飲んでくれた」というご意見や、入院患者の服薬に悩む医療関係者からは「子どもが少しでも楽しんで薬を飲めるようになれば嬉しい」等の有難いお声もいただきました。大人の方からの「懐かしい。服薬が苦手だから試してみたい」というお声もございました。
――そこからの改良点などは?
パッケージに記載されている表記やレイアウトを改装し、「いつ・何のために・どうやって」使用する商品なのか、店頭で分かりやすく伝えられるようパッケージデザインを改良しました。また、デザインを3種類に増やし、ユーザー、オケージョン(使用場面)に対する訴求力を強化しました。
――発売開始から間もないですが、市場の反応は?
薬剤師や調剤薬局から取り扱いのご要望を多数頂いています。お客様の反応はこれからになりますが「発売を待っていた」という待望のお声も多く頂いております。
――お子さまを対象に販売されておるかと思いますが、高齢者や嚥下機能が低下した方へのアプローチなど、今後の汎用性への期待や展開予定等はありますか?
今のところ予定はございません。まずは、「ねるねるねるね」をはじめとする知育菓子®のメインユーザーであるお子さまに対して、一人でも多くの方の楽しく前向きなおくすりタイムのきっかけとなれるようにこの商品の販売を拡大していきたいと考えております。
ただ、日常生活で課題を抱える方は子どもに限らずたくさんいらっしゃると思いますので、服薬補助に限らず知育菓子の持つ技術で何か貢献できることはないのか、枠にとらわれずに今後も商品開発を検討して参ります。
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共同研究を行った国立成育医療研究センターも「泡沫状の服薬補助剤は今までにない新しい服薬補助食品かと思いますので、子どもとその保護者にとって選択肢が増えたことが良いことかなと思います。『おくすりを飲む時間=嫌なことをする時間』にならないように、色々な選択肢の中から、子どもと保護者にとって合うものを見つけていだだければいいなと思います」とのこと。
「おくすりパクッとねるねる」はメロンソーダ味とイチゴ味の2種×3袋の計6袋入で、1回使い切り。混ぜて作るためのトレー&スプーン付きで、対象年齢は1歳以上、店頭参考価格486円となっています。
子どもが病気になった時、「一刻も早く良くなってほしい」「症状を和らげてあげたい」「少しでも効いて楽になって」…祈るような気持ちでお薬を飲ませようとしますが、これが本当に飲んでくれません。味、匂い、喉ごし、舌触り…きっと何か理由があるのでしょうが、泣いて出されたり、吐き戻したりで保護者は心配が募るばかり。嫌がる気持ちをなんとかなだめたり、試行錯誤しながら飲ませている方もおそらく多いはずです。一度、試してみてはいかがでしょうか?
<クラシエ株式会社関連情報>
■「おくすりパクッとねるねる」ブランドサイト https://www.kracie.co.jp/foods/okashi/okusuri/
■みんなの知育ひろば【クラシエ公式】Instagram https://www.instagram.com/chiiku_hiroba/
■クラシエ【フーズ】公式X(旧Twitter) https://twitter.com/Kracie_foods
<国立成育医療研究センター関連情報>
■Webサイト https://www.ncchd.go.jp/
■X(旧Twitter) https://twitter.com/ncchd_pr