「定礎のぬいぐるみクッションを作ってみました」
「#どこでも定礎」という奇妙なハッシュタグと共にポストされたのは建物によく見られる「定礎」という表示。
よく見かけるけど、どういう意味?と思う人も実は多いのではないでしょうか?
「街中でよく見るアレですね!」
「クオリティー高い…エモい…」
「アーティスト」
「え、めっちゃこれ欲しい笑」
投稿には、どこでも見かけるけど、だからこそ家に欲しい!というような声が多数寄せられました。
「定礎」をぬいぐるみとして作ったという井筒隆康(@idutsu_Takayasu)さんにお話を聞きました。
ーーこちらの「どこでも定礎」のクッションを作ろうと思ったのは?
「年に2度、春と秋に趣味で作った造形作品を見せ合う会に参加していて私は毎回ぬいぐるみを展示しています。しかし今年の秋は作品が用意できないまま展示会前夜になってしまいました。そこで、今から3~4時間で作成可能でネタとして楽しんでもらえそうな作品をと今回の定礎ぬいぐるみクッションを考え出しました」
ーー「定礎」というのはどういった意味を持つのでしょうか?
「本来は『工事の開始』という意味らしいですが、一般的には建物とそれが建った時代に縁があるモノ(設計図や当時の硬貨)を納め、壁などに埋め込んだ石や金属製の箱です。表面に工事が完了した日が記載されています」
ーーなるほど。今回、素材は何で作られているのでしょう?
「市販されているマイクロファイバー製の毛布を裁断して使っています。実はこちらのほうが生地屋で同じ素材を購入るするより色の種類も豊富で安上がりです」
ーー作成の際に一番こだわった点は?
「刺繍をする位置と順序です。刺繍はコンピューターミシンで行いますが、生地が歪んでしまわないように刺繍の開始位置と文字の順序を計算してデータを作るのに時間が掛かりました。今回の作品は4時間ちょっとで完成しましたが、そのうち半分以上は刺繍データ作成に割きました」
ーーぬいぐるみの制作活動を始めたのは?
「本業は服飾関係ですが、仕事では企画が中心なので実際に服の図面を引いたりミシンを踏んだりはほとんどしていませんでした。腕が鈍らないようにと2009年ごろから私的に、ぬいぐるみの制作とその工程の動画をサイトへ投稿するようになりました。そのうち、近い趣味を持った方と知り合ったり、企業様から制作の依頼をされたりして一過性で終わらず現在も活動を続けています」
ーーこれまで作られた作品で、特にお気に入りのものは?
「知り合いの方が考えたオリジナルキャラクター『そそねこ』です。フォルムが可愛らしくて気に入っています。こちらは特に制作を依頼された訳ではありません。そういったものを内緒で立体化してみせて驚かせるのが好きなんです。ご本人にも大変喜ばれました」
井筒隆康さんは最後に「主にSNSでぬいぐるみの制作風景を載せているので、興味のある方はぜひ覗いて見てください」と話してくれました。