帰宅後は遠くて、みんなで遊べない…京都の小学校が下校前に「自由時間」 校長先生ホクホク笑顔「一挙五得」

京都新聞社 京都新聞社

 京都府南丹市美山町の美山小は、月曜の下校前に60分の「自由時間」を設ける取り組みを始めた。児童は好きなことをして過ごす。少子化や町域が広い影響で、家に帰ってからは友達と集まりづらい事情を踏まえ、学校でみんなで遊べるように工夫した。楽しい時間が月曜にあれば、週明けの登校がおっくうになる「ブルーマンデー」(憂鬱(ゆううつ)な月曜)対策にもなるという。

 「60分プロジェクト」という仮称で、9月に開始。午前中の中間休みの時間を短縮するなどして、自由時間をひねり出した。グラウンドで遊べるほか、校舎内で読書などをしてもよい。教員は指示せず、児童が主体的に行動する。下校時刻は以前と変わらない。

 同小は全校で約130人と少人数な上に町域が広いため、家の近くに同級生や同性の友達がいないなど、帰宅後は大勢での遊びが難しい児童がいる。

 同小はプロジェクトの導入で、サッカーなど一定の人数が必要な遊びがしやすくなるほか、多くで交わることでコミュニケーション力の向上を期待する。8割を占めるバス通学の児童の運動不足解消も狙う。

 見守りはボランティア住民が担うため、普段は触れ合う機会がない人と交流できる。教員はこの間、事務仕事に専念でき、働き方改革にもなるという。榊貢校長は「月曜に楽しい時間があれば登校のモチベーションになる。一挙両得ならぬ、一挙五得くらいの取り組み」と笑う。

 開始した4日は、さまざまな学年で混じってドッジボールなどを楽しむ姿が見られた。サッカーに汗を流した6年の男児(12)は「みんなと遊べた。この時間、めっちゃいい」と笑顔を見せた。

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