愛犬も夢中になる!ジビエ専門店のペットフード 広島・備後地域で捕れた“最高級肉”で「健康食を日本中のワンちゃんに」

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イノシシやシカの肉など「ジビエ」の希少な部位を高級レストランに卸している「備後ジビエ製作所」(広島県福山市)は今年6月からペットフードブランド「gibi∞one(ジビワン)」を立ち上げ、健康志向の愛犬家から注目を集めている。現在はさらなる認知度アップのため、クラウドファンディングも開始したが、その背景には獣害問題に取り組んできた同社代表の前田諭志さんの熱い思いがあった。

広島備後地域で獲れた最高級ジビエ肉

広島県東部の備後地域は全国的にも「ジビエ」でよく知られる。この「備後ジビエ製作所」は広島県福山市で初めての野生鳥獣の認定施設として2018年8月に開業した。処理施設とフード工場を併設しており、捕獲から加工、商品になるまでのすべての工程を一元管理。特に希少な部位は東京、大阪などの高級レストランに重宝されている。

というのも、「当たり外れがある」といわれるジビエ肉において、この地域で育ったイノシシはよしにつけ悪しきにつけ、栗やタケノコ、ドングリ、ミカンなどおいしい大地の恵みをたっぷり食べて育っており「最高級猪肉」として全国でも親しまれているからだ。また、シカも害獣として捕獲されており、令和2年度にイノシシは1659頭、シカは72頭。捕獲数は年々増加傾向にあり、農作物も甚大な被害を受けていることから、その対策としてもジビエを使った犬向けのペットフードが注目されてきた。

では、なぜ、犬がイノシシやシカのジビエ肉を好むのかというと、もともと祖先が肉食のオオカミだったことからで嗜好性が強いとされる。また猪肉は栄養価も高く、豚肉や牛肉と比較すると、タンパク質は多く、脂質は少ない。「ジビワンのすべての商品は脂を丁寧に取り除いたお肉を加工しているので、より高タンパクで低脂質」と代表の前田諭志さんは話す。

ジビエ解体処理施設とペットフード専門工場もオープン

もっとも、一方で山あいの町では多くの問題点を抱えていた。猟師や捕獲者の高齢化に伴い、マンパワーが足りない現状に加え、有害鳥獣の捕獲後に解体処理や焼却施設がないため、これまでイノシシやシカの約9割が山に埋設処理しなければならないのが現状だった。

大阪で飲食店7店舗、ドッグラン施設1件を経営し「ジビエ専門の飲食店を出したい」と考えていた実業家の前田さん。そんな現状を知ると「廃棄される命を大切にしたい」という思いが強くなり、なんと、自らが広島県に赴き、2017年から広島県福山市でジビエ解体処理施設をつくり、運営に乗り出したのだ。

その後は猪肉や鹿肉を飲食店に販売してきたが「もっと多くの人にジビエの存在や魅力を広めたい」という考えが強まり、それがペットフードに結びついていく。今年3月には広島県の神石高原町にペットフード向けの施設をオープンさせ、6月には新ブランド「ジビワン」を立ち上げた。

「犬用に特化した栄養豊富で嗜好性の高い、新鮮でおいしいジビエを日本中のワンちゃんにお届けしたい」と熱く語る前田さん。

認知度アップも狙い、クラウドファンディング

一番は多くの人にジビエの魅力を広げ、農家の獣害被害を少しでもなくしたいという思い。それに加えて「ペットであるワンちゃんにもご馳走を食べてもらいたい」との思いから栄養豊富で嗜好性が高いジビエ肉で、こだわりぬいた美味なペットフードを次々と誕生させた。

「できたてパリパリで食べられる無添加ジャーキーや使い勝手の良い猪パラパラミンチなどもそのひとつ。ごはんを食べないワンちゃんやシニア犬のためには水分と栄養が摂れるスープや、ペースト状のスティックも用意。すべては”ワンちゃんファースト”の製品になっています」

実際に口コミで「夢中になって食べてくれる」「老犬の食欲が回復した」など多くの反響があるとのこと。それを受け、前田さんはより広く知ってもらおうと応援購入サービス「CAMPFIRE」を開始した。クラファンのタイトルは「高級レストランに卸すジビエ専門店のペットフード「gibi∞one(ジビワン)」でリターンにはワンちゃん用に「無添加おやつセット」など、支援者用には「ぼたん鍋セット」などを用意している。

   ◇   ◇

▽鳥獣食肉解体加工施設「備後ジビエ製作所」
https://bingogibier.com/

※クラウドファンディングの締め切りは2023年10月31日まで。
詳細は…https://camp-fire.jp/projects/view/634786

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