「OSO18」の肉は美味かった!牛66頭を襲った凶暴ヒグマを調理したジビエ料理店の投稿が話題「食べたい!」の声殺到

はやかわ かな はやかわ かな

北海道の標茶町や厚岸町で牛66頭を襲い、北海道庁が特別対策班を設置した凶暴なヒグマ「OSO(オソ)18」。2019年に確認されて以来、牛66頭を襲い、数千万円以上の被害を出すなど、酪農家たちを恐怖に陥れていた個体が、7月30日にハンターによって駆除されていたことがわかった。

そんな中、ジビエ料理 あまからくまから(@fwns3984)さんが、X(旧:Twitter)に投稿した、衝撃的なメッセージが大きな話題になった。

「先週からお店で提供していたヒグマ肉の炭火焼、OSO18だったことが判明!人を襲ってなくて本当によかったです!駆除されたので、酪農家さんが安心できてよかったです」

投稿したのは、東京・日本橋人形町にあるジビエ料理店「あまからくまから」さん。明治末期の北海道を描いた人気漫画『ゴールデンカムイ』にも登場するアイヌ料理、「チタタプ」(ジビエ肉のたたき)のコース料理なども味わえる人気店が投稿した衝撃の事実に、驚きの声が殺到した。

「美味しくいただかれてたんだ…」
「これほど有名なジビエがいまだかつてあっただろうか」
「60頭以上もの牛を襲ったOSO18が結局、人の腹におさまるとは…」
「とんでもないスタミナつきそう」

炭火焼きできる部位は完売、残りの肉は?

「ウェンカムイ(アイヌ語で「悪魔・魔物」)じゃなくてよかった」というコメントも寄せられていたが、あまからくまからさんもファンだという漫画『ゴールデンカムイ』には、悪魔を体内に取り込まないよう、アイヌは人を襲った動物「ウェンカムイ」を食べなかった、と描かれている。66頭もの牛を襲ったOSO18だが、幸いなことに、人間を襲ってはいなかった。

「アイヌの世界では、『良い行いをしている者のところにカムイである動物が、お肉や毛皮をおいていってくれる』という考えがあります。 今回、当店に来たのも何かの縁なのでしょう。 『カムイオハウ』(神の鍋・ヒグマは山の神です)として提供しようと思います。 9月の頭にちょうど阿寒アイヌコンサルンの理事長が来られ、『チセノミ』をやっていただくので、お肉もお清めしてもらおうと思います」

「全てを使い切れるようご協力して頂けると嬉しいです」

そう投稿していた「あまからくまから」さん。果たして、「OSO18」の肉はどんな味だったのか?詳しくお話を聞いた。

(※カムイとは、アイヌ語で「神」のこと。アイヌは動物の神を重要なものと捉え、中でも熊は「キムンカムイ」(山の神)と呼ばれ、位の高いものとされていたという)

柔らかくて美味しい「OSO18」

ーーDNA検査で「OSO18」と判明したそうですね。

「お肉を送ってくださった業者さんが、DNA鑑定の結果を連絡してくれました。すでに提供していたので、OSOが人を襲っていなかったかがまず心配でした」

ーー「OSO18」を召し上がったお客様の反応は?

「実は当日、ちょうどOSOの肉を焼いていたところで連絡があり、お客さまにOSOだとお伝えすると、皆さんビックリされてました。味に関しては、柔らかく美味しい、全然臭くないとおっしゃっていました」

ーーこれまで調理されてきたヒグマと比べて、肉質などは違いましたか?

「大きな個体でしたが、通常より柔らかいくらいで、驚きました」

「OSO18」はアイヌのお清め儀式を

ーー残りの肉については、アイヌのお清めの儀式をされるそうですね。

「はい。もともと系列店である『ラムレンカイネ』(ジビエ料理とアイヌ文化を楽しめるレストラン)でお店の厄祓いの儀式『チセノミ』をやっていただくことが決まっていました。そのタイミングで、OSOのお肉のお清めもやっていただくようにお願いしました。もちろん私もお清めの儀式に参加いたします」

ーー雑食動物であるヒグマは植物を主食とし、通常、牛などの家畜は襲わないそうですね。牛に執着し凶暴化した「OSO18」について、どんなふうに思われますか?

「通常の熊と行動が違っていたので、捕獲が難しかったようですね。このような個体が増えなければいいなと思います」

◇ ◇

「OSO18」の肉は、北海道釧路市内の飲食店でもすでに提供され、好評だという。「あまからくまから」さんでは、アイヌの儀式「チノセミ」で魂を鎮めてもらった後、「カムイオハウ」(神の鍋)として提供される予定だ。

■日本橋人形町のジビエレストラン『あまからくまから』

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