「学校の授業は退屈…塾だけ行きたい」中学受験で“変わってしまった”息子 不登校は許していい?【お笑い芸人→教師経験者がアドバイス】

わたなべ こうめ わたなべ こうめ

専門家「成長する良い機会…子どもに主体的に考えさせて」

塾は楽しいけれど学校の授業がつまらないので行きたくない、と言い出す子どもたちは案外多いようです。こうした場合、なんと子どもたちに声をかけるべきなのでしょうか。

お笑い芸人から教師に転身し、現在はコーチングの専門家として活動する坂田聖一郎さんにお話を伺いました。

ーー塾だけに行くから学校に行かないと子どもに言われたらどうすればいいのでしょうか?

結論、子どもに決めさせる。ただし、塾だけ通う場合、塾の無い時間帯に何をするのか具体的に考えさせましょう。塾だけ行かせるとなると、「社会性が身につかないのではないか」と不安になるかもしれません。しかし、今の学校の仕組みは果たして、これから社会で必要とされる力が身につくのでしょうか。

今の時代を生きる力とは、主体的に考え計画し、実行する力です。そこに従来の学校のシステムとギャップがあると感じています。

例えば、学校の学びのスタイルは、一斉授業が基本です。そのため国語がしたいと思っても算数があったり、もっと勉強したいのに時間が決められたりと、自分で学べる子にとっては没頭できる環境とは言えません。

塾で学びたいという意欲の高いお子さんであれば、「学校に行かなくてもいいけど、塾がない時間は何をするの?」このような問いかけが、主体的に考える機会を作りお子さんを成長させるのです。

ただし、親の意見もしっかり伝えましょう。塾にだけ通うと選択した場合、日中の時間が空きますよね。その時間、何をするのかが問題です。

ーー子どもに主体的に考えてもらうことが大切なんですね。

例えば、私の娘も不登校ですが、日中、何も目的なく動画やSNSを見るのは禁止しています。

結果、自分でやりたいことを考えて英語やネイル、整体を学び始めました。自分のSNSアカウントを持ち発信もしています。

「学校に行かなくてもいいけど、塾がない日中はどうするの?ダラダラと動画やゲームをするのはダメだよ」と条件を付けて子どもに考えさせることが子どもの成長につながるのです。

塾だけ通いたいという主張は、捉え方を変えれば、学校の授業がつまらないという意見を持ち、塾で学びたい意欲がある証。

子どもの主張を否定せず、まず受け止めてみてください。そのうえで、成長する良い機会として具体的に考えさせていくことが大切です。

◆坂田聖一郎(さかた・せいいちろう)ドラゴン教育革命代表
愛知教育大学教育学部卒業後、東京NSC9期に入学。同期だった現在「しずる」村上純とコンビを結成するも解散。愛知教育大学大学院に入学。大学院生の傍ら、定時制高校で非常勤講師として国語を教える。卒業後、愛知県豊田市の正規教員として小中学校に勤務。2020年7月には「株式会社ドラゴン教育革命」代表取締役に就任。2022年「ままためコーチング塾」をスタート。
https://dragonteacher.com/profile/

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