東京都足立区の荒川河川敷で、イノシシやシカの脚を挟んで捕獲する狩猟用ワナが二つ見つかりました。ワナの一つに猫がかかり、脚に食い込んでいたといいます。
ワナは河川敷へ降りる階段のそばに設置され、人や犬がかかる恐れもあります。河川敷で猫を保護する活動をする人たちは「動物虐待は絶対に許せない。人間の子どもが踏んでも大けがをする可能性もある」と怒りの声を上げています。
都内で地域猫の保護活動に取り組む高沢守さんによると、狩猟用ワナが荒川河川敷で見つかったのは9月26日夕方。地域猫を世話するボランティア2人が発見し、猫がワナにかかっていることに気づきました。
高沢さんは「ワナが脚に食い込み、倒れて鳴いていたそうです。毛がはがれ、血が出ていました」。大人2人がかりでも脚を挟み込んだワナは容易に外すことができず、やっとのことでワナを外すと、猫はいずこかへ立ち去りました。
二つのワナは土手から河川敷へ降りる階段左右の草地に置かれていました。いずれも地域猫が集まる場所の近くで、警察に通報した高沢さんは「猫を狙った可能性があるが、散歩中の犬や、草地に入った人間がかかることも十分に考えられる」と怒りをにじませます。
翌27日に第一発見者のボランティアが西新井警察署にワナを提出し、警察署員や足立区役所職員が現場周辺の状況を確認しました。
この河川敷では地域猫が最近相次いで2匹行方不明になっており、高沢さんは「早く犯人を捕まえてほしい。他にもワナが置いてあるかもしれないので、草地などに入る時は十分気を付けてほしい」と呼びかけています。