みなさんは、近隣の子どもの行動に対して不快に思ったことはありますか。近隣トラブルを経験したことがある一都二府六県(東京・大阪・京都・神奈川・埼玉・千葉・兵庫・広島・福岡)に居住する20~69歳の男女500人に調査をしたところ、「隣人の子どもの行動として不快に思ったもの」は「足音」が1位に。一方で「自身の子どもの行動を不快に思われて指摘されたことがあるもの」は「外遊び関連(ボール等)」が1位となり、いずれも声・音に関連するものが最多となりました。
トラブル解決支援サービスを展開する株式会社ヴァンガードスミス(東京都港区)が、「子どもに関する近隣トラブルについての調査」と題して2023年7月にインターネットで実施した調査です。
はじめに、「隣人の子どもの行動で不快に思ったもの」を複数回答で教えてもらったところ、「足音」(21.2%)、「外遊び関連(ボール)」(20.2%)、「話し声」(18.2%)、「親が叱る声」(17.8%)、「泣き声」(17.0%)、「喧嘩等の声」(15.8%)、「たむろしている」(15.6%)、「いたずら」(14.3%)といった、声や音に関連するものが多く挙げられました。
一方、「自身の子どもの行動を不快に思われて指摘されたことがあるもの」についても同様に教えてもらったところ、「足音」(7.8%)や「話し声」(7.2%)をおさえて、「外遊び関連(ボール等)」(8.6%)が最多となりました。
なお、「不快に思ったことがある」割合に対して、「指摘されたことがある」とする数値が全体的に低くなっている部分に同社は着目。調査では「直接的にいうとこじれそうなので言いづらかった」「逆恨みが怖い」など、不快に思いつつも相手へ伝えることの難しさや、「相談するところがわからなかった」といった意見が寄せられていたといい、同社は「改善したいと思っていても解決のためにどうすればよいのか分からないままにしている可能性がうかがえました」と述べています。
次に、「隣人の子どもの行動が不快と思ったことがある」と答えた310人に対して、「不快と思ったときにとった行動(対策)」を複数回答で答えてもらったところ、「管理会社への相談」(25.8%)、「警察への連絡」(12.3%)、「学校への連絡」(7.1%)などが挙げられ、合わせて45.2%の人が第三者へ相談を行っていることが分かりました。
なお、それらの解決率をみると、「管理会社への相談」(12.9%)、「警察への連絡」(8.1%)、「学校への連絡」(3.9%)と、いずれも半分ほどしか解決できていないことも明らかとなっています。
回答者からは、「住民同士で話し合ってくれと言われた」「相手が明らかに悪くても、事項によっては法的処置をとれない場合が多い」「長年住んでいる人のほうを優先された」などのコメントが寄せられており、同社は「相談をしても具体的な解決に至らないケースもあることがうかがえました」としています。
一方、「自身の子どもの行動が不快と思われ指摘されたことがある」と答えた151人に対して、「指摘された際にとった行動」「指摘される前に行っていた対策」それぞれを複数回答で教えてもらったところ、いずれも「子どもへの注意/しつけ」(行動:32.5%・対策:25.8%)が最多に。
そのほか、「指摘された際にとった行動」では、「引っ越し」(25.2%)、「相手への謝罪」(21.9%)が続き、「指摘される前に行っていた対策」では、「防音対策」(14.6%)が挙げられました。
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調査を実施した同社は、「子どもの出す音を”うるさい”と感じるか”元気だ”と感じるかの価値観の違いや、親は子どもを注意しているのか、音をわざと出しているのではないかなど、相手への不信感・嫌悪感からもトラブルが起きていきます」と説明。
その上で、「このような感情トラブルは法的な対応がしづらく、当事者同士での話し合いは感情が高まっていき、事件化などトラブルがエスカレートしてしまう可能性もあります。そのため適切な中立な立場の第三者を間に入れ、お互いの譲歩・妥協点を見つけ解決へ向かう必要があります」と指摘しています。