「この子は死にそうだから他の子をおススメします」ペットショップ業界が闇すぎる 半額で販売の条件は、高額フードの長期契約

はやかわ かな はやかわ かな

ペットショップってそういう場所だっけ?

デレク&レイラさんの投稿に対して、「結局ショップで生体を購入したことで店側の営利に加担している」「ペットショップで生命を購入すること自体が悪」といった批判の声も多く寄せられた。果たして、本当にそうなのだろうか? 

今回の投稿に対し寄せられた「ペットショップで生体を購入した人」のコメントを見ると、「このまま店にいればこの子は死んでしまうかも」「売れ残れば殺処分になるのでは?」といった、「救いたい」という気持ちから購入したケースが多い。

リプライの中には、「虐待されてる動物を見捨てられず、身銭を切って引き取る。ペットショップってそういう場所でしたっけ?」という声も見受けられた。

ペットショップの飼育環境や販売方法、そして、ペットショップ自体のあり方などについて、デレク&レイラさんにお話を聞いた。

体質に合わなくても解約不可「指定フードの長期契約」

ーー生体を購入する際、ショップのグループ会社が販売する指定のフードを長期契約する……これはどんな仕組みなのですか?

「ペット購入時、生体価格が半額に割引されることを条件に、強制的に指定のフードを長期契約する縛りが生じるというものです。確か契約は5年だったと記憶しています。ショップからの説明によると、契約の満了前に対象の犬猫が死んでも、解約は不可。また、獣医師がその個体の体質に指定のフードが合わないと診断しても、解約不可だそうです。こういう商法は法令に抵触しないのかと疑問です…」

ーー体調悪化の原因が指定のフードだと獣医師が診断しても解約出来ない……。動物の生命や健康を軽視した、利益のみを追求した経営方針が窺い知れますね。

「実はX(旧:Twitter)に投稿した問答は、ショップのスタッフさんを守るために要約したものなんです。スタッフの方自身は、フードが原因だと把握されていたと思います。というのも、デレクは当初つけられていた販売価格から、突然、半額以下で叩き売りされたんです。

理由を問うと、『各店舗にはアルバイトしかいない。価格のコントロールなどはすべて正社員であるエリアマネージャーが決定し、各店舗に指示する。この子はあまりに体調が悪く、売り急がないと死ぬ可能性が高いと判断され、値下げが決まったと思う』という返答でした。もともとデレクを購入予定だった方は、あまりにも下痢の症状が酷いため、購入を断念されたようです」

ーー動物が好きでバイトを始めた方でしょうから、その返答はつらかったでしょうね…。

「現場でのニュアンスを私がうまくX(旧:Twitter)で表現出来なかったため、スタッフの方の言葉がすごく悪く受け止められてしまったかもしれません…。『死んでも補償出来ないし、他犬との交換も出来ない』という言葉は、実際は、『この子は本当に危ない状態なので、生体保証の契約をしないと他犬との交換や返金保障が出来ないんです。本当に契約しなくていいんですか?』というニュアンスでした。実はデレクをお迎えした後、デレクに優しくしてくれたスタッフの方に会いに行ったのですが、すでに退職されていました」

フードの長期契約も生体保障も断ったが…まったく問題なし!

ーー結局、お迎え前のデレクくんの下痢の原因は何だったのですか?

「フードを変えたところ下痢の症状が改善しましたので、やはりショップで与えられていたフードが合わなかったのだと思います。その後も体調が安定するまで1年ほどかかり、かかりつけの動物病院に何度駆け込んだかわかりませんが、信頼できる獣医師のおかげで、今は極めて健康です」

ーー指定フードの長期契約や生体保証を断ったことで、何か問題はありましたか?

「まったくないです。医療保障以外の契約はすべて断りましたが、困ったことはありませんでした。生体保証の方は、デレクの生死が微妙だったこともあり、かなり強く勧められましたが、『家族として迎えると決めたのだから、もし死亡してしまっても運命だと受け入れるし補償も求めない』と断言し、退けました。指定フードの長期契約については、契約することで生じる生体価格の半額割引も辞退しましたし、そもそもフードが解約出来ない仕組みや理由に納得出来ず、こちらから散々問い詰めたこともあり、契約を迫られることはありませんでした」

信頼できるブリーダーから迎えた妹犬と、ペットショップで孤独に育った兄犬

ーー1歳になる妹分のレイラちゃんもボーダーコリーだそうですね。レイラちゃんはどんな経緯でお迎えされたのですか?

「信頼出来るブリーダーさんから直接迎えました。専門知識を持つ方の元で兄妹犬たちと共に育ち、たっぷりと母乳を飲み、トイレのしつけも終えてやって来たレイラは肉づきも良く、お腹の調子を崩すこともありませんでした。発育やしつけ、社会化のためにいちばん大事な子犬期を、ペットショップの狭いケージの中で一人ぼっちで過ごしたデレクとは雲泥の差でした…」

ーー改めて、「ペットショップ」に対して思うことはありますか?

「偉そうにペットショップを批判しながら、結局デレクをショップで購入したことを非難する声もありました。もともと私たちは保護犬・保護猫を迎えることを検討していましたが、その矢先、病院帰りの夫が電車の待ち時間に立ち寄ったのが、デレクがいた店舗でした。先代犬がボーダーコリーMIXだったこともあり、デレクに惹かれたのですが、お迎えしたこと自体は後悔していません。でも二度とペットショップからは迎えたくないです」

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