大阪・関西万博で最大級のパビリオンにして、社会課題を乗り越えた先に開ける明るい未来像を提示する「未来の都市」が完成し、開幕を約1カ月後に控えた3月10日、報道関係者に公開されました。2025年日本国際博覧会協会と日立製作所、KDDI、クボタなど協賛12企業・団体が出展。「幸せの都市へ。」をテーマに、外壁にモアレ模様が施された全長約150m、幅約33mの建物が、文字通り「未来の都市」を具現化して見せます。
パビリオンは「大屋根リング」の外側、眼前に海が広がる会場西端に立ちます。会場西ゲートからは徒歩5分ほどで、周辺にはEXPOアリーナや万博サウナ「太陽のつぼみ」などの施設が集結。万博関係者は「海を染める夕焼けや夜景が楽しめるナイトスポットとしても注目のエリアになります」とPRしています。
パビリオン内は、人類誕生からの歩みを振り返る映像が映し出された巨大スクリーンのエリアを抜け、様々なアクティビティ、映像、パフォーマンスなどを通じて「幸せの都市=Society5.0」が実現した未来を体感するという趣向になっています。
「未来社会の実験場」をイメージした協賛者の個者展示では、「交通・モビリティ」「環境・エネルギー」「ものづくり・まちづくり」「食と農」という4カテゴリーを展開。移動によって幸せを感じ、意欲を掻き立てられるという人類の「移動本能」をテーマにした川崎重工業は、キャビンが陸・海・空の各モビリティを自動で乗り継ぐという画期的な「ALICE Cabin」の実物大モデルを展示しました。この未来の公共交通システムを「ALICE SYSTEM」と名づけ、乗り換えストレスのない誰にとっても快適で自由な移動を目指します。
CPコンクリートコンソーシアムは、二酸化炭素を吸収し続ける次世代のCPコンクリートを開発中。展示では、このCPコンクリートが地球を救う鍵であることを示し、地球温暖化の危機を乗り越えた未来を映像で体感できます。
シアター形式で社会課題解決を体験できる「ミライシアター」、大型タッチパネルを用いたゲームコーナー仕立ての「ミライアーケード」など、小さな子供も感覚的に楽しむことができ、遊びながら学べる仕掛けも随所に施されています。クリエイティブディレクターの古見修一さんは、完成記念式典で館のコンセプトやデザインを解説した上で、「展示を通じて子供たちが明日の夢を見てくれれば」と期待を寄せました。
大阪・関西万博は4月13日開幕。