「うなぎの研究の歴史を知ったら小さな悩みなんか吹き飛ぶくらい面白かった。」
こんな漫画がX(ツイッター)に投稿されて、15.7万をこえる「いいね」がつく話題になりました。ポストした漫画家の「松本ひで吉(@hidekiccan)」さんに、お話を聞きました。
「うなぎの生殖は長く長く謎に包まれてきた」という一文で始まる漫画は、まず古代ギリシャまでさかのぼります。うなぎの腹部から生殖腺がまったく見つからないため、とうとう博物学者でもあった大プリニウスが、「うなぎは体を岩にこすりつけ、そのけずりクズが生命になって生殖するのです」と唱えました。
突飛すぎる説にも関わらず、ギリシャの偉い学者たちも「それ以外考えられん!」と同意してしまうほど、とにかくうなぎは謎すぎだったのです。
そのあとも、うなぎの稚魚は、魚のエラがはがれて落ちたもの、朝つゆが変化、茅葺き屋根の上から発生するなど、まるでファンタジーのような扱いになっていきます。
しかし、顕微鏡の登場により微生物観察を進めたアントニー・レーウィンフックが、うなぎのお腹の中に小さなうなぎのようなものを発見します。もしや卵ではなく、母体の体内である程度成長する「胎生」だったのか!と、研究が進むかと思われたのも束の間、小さなうなぎだと思ったものはただの寄生虫でした。
そのあとも、さまざまな研究がされるもののうなぎの生態は謎のまま、生殖研究はもはやコントのようになっていったことが描かれます。
果たして、うなぎ研究の現在は!?
漫画には、「面白く勉強させて頂きました」「コミカルな漫画にしてもらえると、すごくわかりやすいです😂」「ためになったねぇ~~」「うなぎってこんなに神秘的だったとは。。😮」「壮大なスペクタクル わりとつい最近でびっくり」などとコメントが寄せられて大きな反響になりました。
また、混迷する研究への松本さんのツッコミが絶妙でわかりやすく、「この、知的好奇心をくすぐる感じ! めちゃくちゃ面白い」「世界史も日本史も科学史も、このテンションで読める漫画があれば、みんな楽しく学べるのにねえ」と、もっと読みたいというリプもたくさん寄せられています。松本さんにお話を聞きました。
──「子どもには聞かせられない動物のひみつ」(ルーシー・クック著)のうなぎの章に感銘を受けて書かれたとコメントされていました。お気に入りの書籍なのですか?
はい。とても面白い本なので動物好きにはお勧めです。内容はもちろん翻訳のセンスもすばらしいです。
──生き物のどんなところを、漫画で表現したいと思われているのですか?
いきものの多彩な生存戦略を知ることで、世界の広さを感じたい、そんな感じです。
──今回のうなぎの漫画も壮大でした。漫画「犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい」で描かれる犬くんや猫さま、最近のガーラさんや息子くんも同じ想いで描かれているのでしょうか。
ただカワイイ!と思ったことを絵にしているだけではありますが、通じるところはあるのかもしれません。
──ちなみに…うなぎを召し上がるのはお好き?
うなぎには申し訳ないのですが大好きです(笑)。
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