性犯罪歴なしを証明「日本版DBS」が話題 学校や保育所は全職員対象だが…学習塾は義務化対象外? 「未成年に接する職につく全ての人を対象に」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「えっ、これは学習塾も含めて全対象にするべきだぞ」

政府が進めている子どもと接する職業につく人に対して性犯罪歴がないことの証明を求める仕組み「日本版DBS」をめぐる報道がSNS上で話題になりました。

「DBS」(Disclosure and Barring Service)とは、「無犯罪証明書」と呼ばれるもの。現在イギリスなどの主要先進国で実施している、子どもや高齢者など弱者に関わる仕事につく人に、この証明を提出することを求める制度です。日本でもこの制度を参考に子どもに接する職種での導入の検討が進められ、今年秋にも法案の提出を目指す方針だといいます。

学習塾やスポーツクラブなどは義務化ではなく…任意な取り組みに認証を検討中

今回話題になったのは、「日本版DBS」について学校や保育所、幼稚園など既に法律や規制のある業種に対して犯罪歴の確認を含む安全対策を義務化する方向で政府が検討を進めている一方で、学習塾やスポーツクラブなど既存の枠組みのない業種は義務化の対象とはならない見通しとの報道。ただし、義務化の対象から外れた事業者であっても、犯罪歴の確認をするため就業希望者に証明書を求める取り組みなどを自主的に行う場合には認証を与えるような仕組みを検討中とのことですが…。

塾講師などの性犯罪事件相次ぐ…学習塾が義務化の対象から外れることにSNSで懸念の声も 

SNSでは、塾講師や塾経営者による未成年への性犯罪事件が絶えない中、学習塾などが義務化の対象から外れることに懸念する声が多数上がっています。

その中で、強く訴えていたのはAさん。というのも「地元の中学校の数学教師で女子ソフトテニス部顧問だった男が中学女子にわいせつ事件起こして逮捕され解雇後、東京の学習塾で講師をやっていたという恐ろしい例がある」とのこと。さらに、その元教師の男についてこう説明します。

「私自身、地域の公立校を管轄する教育委員会から委託を受け13年間部活動の外部指導に携わってきました。学校を解雇された元教師の男は、当時携帯電話の出会い系サイトで知り合った女子中学生に裸の写真を送らせて、さらにわいせつ目的で会わないとその写真をばらまくと脅して強要犯で起訴されたんです。当時の法改正前でしたので、今だったら児童ポルノ関連の罪状が付加されるかと思います。

その4、5年後、東京の学習塾で講師として働いているという噂がたち、実際に学習塾のホームページを見ると本人の写真と自己紹介文が記載されていました。『なぜ公立校の教師を辞して、学習塾の講師になったのですか?』という質問に『公立校では自分のやりたい教育が制限される、もっと私のやりたい指導をしてみたい』と言うようなことが書いてあり、驚愕したのを覚えています」

過去に未成年への性犯罪で逮捕された元中学校教師、学習塾に転職

現在、その学習塾のホームページには元教師の男のプロフィールなどは掲載されておらず、在籍しているかは定かではないとのこと。とはいえ、性犯罪事件を起こして捕まった人物が再び子どもと接する職場に再就職することは遺憾だと訴えます。

「罪を償い仮に矯正されていたとしても、過去にそのような犯罪をした人物が教育や指導といった、わりと閉鎖的な世界になりがちで立場の弱く未熟な子供たちと接するのはあまりにも危険が大きいです。確かに、男女問わずさまざまな性的嗜好は潜在的なものも含め誰にでもあると思いますが…それを理性や倫理観といったもので多くの人は自制できて、または法に触れない形で解消するもの。しかし、過去の性犯罪履歴のある人たちは自制できないからこそ事件を起こしてしまう危険性をはらんでいるので…あえて再犯しやすい立場に置くべきではないと考えます」

そして…DBSを子どもに関わる職につく人全てに義務化を徹底しないと、任意のため制度を採用しない学習塾などに、性犯罪を犯して学校や保育所などを追われた人たちが流れてしまうことを懸念しているといいます。

「性犯罪の場合、再犯する可能性が高いといわれています。学校で問題をおこし、再度学校に勤められないとなれば教員免許やスポーツ特技などをいかして自分にとって再就職しやすい塾やスポーツクラブを選ぶのは容易に想像できます。投稿リプで職業差別ではありませんか?といった内容があったのですが、今回のこのDBSに関しては差別ではなく、制限や区別が必要と思います。このような事件が起こると真面目に取り組んでいる教員や指導者は疑いの目で見られることが少なくなく、理不尽なことも多いです。子どもを守るだけではなく、健全な教員や指導者が保護されるためには未成年に接する職につく全ての人を対象にすべきだと考えます」

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