「プール行くとき、〇〇ちゃんも誘っていい?」「〇〇くんファミリーと川でキャンプしよう!」
夏休みとあって、子どもが仲良くしている友だちや家族を誘って、一緒に海や川、プールといった水遊びに出かける計画を立てている人もいることでしょう。
学校や家とは違う場所で仲のいい友だちと思いきり遊ぶ、それは夏の楽しい思い出になります。しかし、そこには事故や事件、怪我、あるいは命の危険もあるということをどれほどの保護者が自覚しているでしょうか?
マンガ・ドラマ『コウノドリ』の取材協力医師であり、新生児科医・小児科医の今西洋介さん(ふらいと(今西洋介)@新生児科医・小児科医 @doctor_nw)がX(旧Twitter)で注意喚起。小児救急の現場で働いていた経験からの言葉が話題となっています。
他の家庭の子は連れていかない、自分の子も行かせない
「海や川などの水遊びに他の家庭の子どもを預かるのは避けた方がいい。小児三次救急をしてた時、預かった子が溺死し、救急外来待ち合いで両家族の慟哭と罵声が響く悲しい現場に何度も遭遇した。「川や海で人の子は預かるな」は鉄則。そもそも川や海で大人1人で複数の子供を同時に見るのは無理がある」
今西さん自身も、「きれいごとではなく、川や海のレジャーでの人の子の命は保証できないから」と、相手には申し訳ない気持ちを抱えながらも、互いの子どものことを考えて12年間断り続けているそうです。
「それ 悔やんでも悔やみきれん」
「複数家族で海や川に行き、子供複数人を大人一人が見るとかも危険。大人は酒を飲んでるケースもあるし」
「溺れる時は、とっても静か 声なんて出せない。気づいたらいなくなってる」
「お孫さん預かる場合も海、川のレジャーは避けてほしい。帰省先で…ってパターン毎年ニュースで聞くのつらすぎる」
「昔、小4の友人の男の子と小1の息子を海に連れて行き、沖合付近で浮き輪を風で流され溺れた2人を命懸けでギリギリ救えましたが、本当に同意です」
今西さんの投稿に賛成する声が多数寄せられました。
さらに、「小学校勤務です。学校のプールで事前に指導法や心肺蘇生法の研修をしていても数十人の子どもを数人の大人でみるのは非常に難しいと言われています」と、複数人の子どもを大人が監視する難しさを指摘。「全員に知識と経験が必要。事故は必ずどこかで起きる」との意見もありました。
波打ち際であったとしても…命を落とす危険性が
警察庁が発表した令和4年の水難事故発生件数は1346件。水難事故による死者・行方不明者は727人です。中学生以下の死者・行方不明者26人が水難事故に遭った場所は河川で、水遊びをしていたときということが判明しています。毎年若干の増減はあるものの、ほぼ変わらず、水難事故は発生していることから、防ぐのが難しいものであると考えられます。
海上保安庁のサイトでは「海で遊ぶときの注意」を呼びかけ、子どもは危険を判断できないこと、小さな波でも足をすくわれること、波打ち際でも波にさらわれ沖に流されること、などに言及しています。
また、国土交通省の「河川水難事故ポータルサイト」では、子どもにもわかりやすく川の魅力と安全対策について発信。小学生低学年でもわかりやすいように「うんこドリル 川の安全」の冊子だけでなく、WEBアプリゲームもあります。こちらは正解率、スピードなどで得点が表示されるので、大人や子どもと遊びながら学ぶことができます。
夏場に増加する水辺でのトラブルは、命を落とす危険も大きく重大事故になりやすいものです。今夏も、水難事故のニュースは相次いでいます。子どもを連れての水遊び前に、今一度、認識を深めてください。
■ふらいと(今西洋介)@新生児科医・小児科医 @doctor_nw
■海上保安庁「海で遊ぶときの注意」https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/swimming/02_attention/index.html
■国土交通省「河川水難事故防止ポータルサイト」https://www.mlit.go.jp/river/kankyo/play/anzenriyou.html