自分の財産…大切な人へ少しでも多く残したい 今からできる!相続税対策【FPが解説】

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具体的な相続税対策の方法は?

相続税を節税するには、以下の方法があります。

▽生前贈与を行う

生前贈与は、その名のとおり生きているうちに自分の財産を贈与することで、相続財産を減らすことにより相続時の節税効果が高まります。

生前贈与には大きく分けて以下の2つがあります。

・相続時精算課税制度
・暦年課税制度

相続時精算課税制度と暦年課税制度は併用できず、どちらかしか選択できません。また、相続時精算制度を利用して土地などを贈与した場合は、小規模宅地等の特例は使えないので注意しましょう。

【相続時精算課税制度】

相続時精算課税制度は、原則60歳以上の父母や祖父母から18歳以上の子・孫へ財産を贈与する際に選択できます。

贈与財産の累計2,500万円までは非課税となり、2,500万円を超えた部分に1律20%の税率を乗じて税金を算出します。

相続時は、この制度を利用して贈与されたものと相続財産の合計金額で相続税が課税されます。相続時に加算される金額は贈与の際の時価なので、不動産や株式などの値上がりが期待できるものに利用すると節税効果が期待できます。

※2023年の税制改正により、2024年1月から相続時精算課税制度の一部が変更され、年間110万円まで非課税の基礎控除が追加されました。なお、生前贈与加算の対象外です。

【暦年課税制度】

暦年課税制度は、受け取った財産が年間110万円以内は非課税となり、申告も不要です。110万円を超えると、超えた部分に対して10~55%課税されます。

暦年課税制度に似た贈与の方法で、定期贈与があります。定期贈与は贈与税の課税対象となりますので、注意しましょう。

※定期贈与とは、贈与する人と受ける人の間で、毎年一定金額を贈与することを約束しているものです。
暦年課税制度を利用し、毎年同時期に同額を長期にわたって振込すると、定期贈与だと指摘される可能性があるので、あらかじめ「贈与契約書」を作成しておくことも有効です。

※亡くなる3年以内におこなわれた贈与は、死亡時に相続税の対象の財産として課税される、生前贈与加算もあるので、なるべく早めに贈与した方が良いでしょう。なお、この3年以内加算の対象となるのは、相続人でそれ以外の人は対象外です。
2023年度の税制改正により、生前贈与加算の期間が3年から7年に変更されました。2024年1月以降は相続開始前の7年前の贈与が、相続税の対象になります。

▽生命保険を活用する

生命保険は、相続人が受け取ると一定の金額が非課税となります。非課税額の計算式は下記のとおりです。

・500万円×法定相続人の数

被相続人の預金などは、相続手続きが終わらないと引き出しなどが出来ませんが、生命保険金は、亡くなった時に現金ですぐに受け取ることが出来るので、納税資金を確保することも出来ます。

上記の金額の枠内の保険金が受け取れる保険に加入しておくことで、非課税枠を活用できます。

▽不動産を活用する

不動産を活用した相続税対策には、以下の2つがあります。

【小規模宅地等の特例の活用】

小規模宅地等の特例は、土地や家を相続する場合、評価額に応じて相続税が掛かりますが、被相続人が使用していた自宅や事業用の土地は、条件を満たせば最大80%減額できます。

自宅は330平方メートルまで、事業用は200~400平方メートルまで適用されます。(事業用は利用区分による)

【アパート・マンションを経営】

現金で相続するより、不動産を相続した方が節税できるといわれています。

それは、不動産の評価額が市場価格より低くなるからです。アパートやマンションの賃貸の場合は、不動産評価額が更に下がるので、より節税効果が高くなります。ある程度まとまった金額の預貯金がある場合は、不動産の活用も検討してみましょう。

※国税庁はマンション節税やタワマン節税の防止に乗り出すことになり、相続税評価額を「実勢価格」の6割以上に引き上げるなどとした新しい算定ルールを2024年1月から適用する方針です。
過度な節税に歯止めをかける新ルールとなる見込みであり、不動産を活用した相続税対策を検討されている方は来年からの新しいルールについてもチェックしておくことが大切です。

▽お墓や仏具を購入する

お墓や仏具(墓地、仏壇なども含む)などの祭祀財産は、相続税の非課税財産です。まだ購入していない場合は、生前に購入しておくと相続税が掛かりません。

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