「除草剤かと思ったら…」。中古車販売大手「ビッグモーター」が除草剤で街路樹を枯らした騒動をめぐり、あるカー用品店の水やりが注目されています。
「店員さんがジョウロで水をあげてた」。宮城県石巻市のカー用品店「アップガレージ石巻店」の従業員が街路樹の花に水をあげている様子を、通りかかった人がTwitter(現X)に投稿しました。「正直、(ビッグモーターで)タイムリーな除草剤かと思ってしまった」「同じ自動車業界でもこんなに違うんだね」と写真をツイートすると、「ホッコリする」「これが本当の意味での環境整備」と称賛の声が上がりました。
しかし、なぜ街路樹に水やりをしていたのでしょう。ツイートに「ありがとうございます。頑張ります」と返答したアップガレージに話を聞きました。
地域の環境保全のため
アップガレージ(横浜市)は中古車やバイク用品の買取・販売専門店で、全国約300店舗を展開しています。
ーーなぜ街路樹に水やりをしていたのですか。
「春先に(街路樹の)花壇を管理しているボランティアグループ『スマイルサポーター花街道』様が花の種を植えました。夏の猛暑で雨が降らない日が続くとすぐに枯れてしまいます。なので、従業員が地域の環境保全の為、スマイルサポータ花街道様の承認を受けて、店舗前の花壇のみ水やりを自主的に行っています」
ーー本部から街路樹の水やりを指示していない?
「特に水やりの指示などはしておりません。石巻店はフランチャイズ店なのですが、平素から近隣の清掃活動などに取り組んでおり、地域貢献の一環だと思います。(ビッグモーターの)騒動は一切関係なく、常日頃から行っていることです」
ーービッグモーターは除草剤をまき、街路樹を枯らした可能性が高いことを認めました。店舗前に除草剤をまきたくなるものでしょうか。
「街路樹が邪魔で店が見えにくくなるということだったのかもしれませんが…街路樹を枯らす行為は弊社では全く考えられません。そもそも街路樹はわれわれの持ち物ではありません。
地球温暖化もありますし、弊社は出店時に行政の指導に従い、きっちり緑地帯を作っています」
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アップガレージ石巻店の従業員の水やりが奏功したのか、街路樹の花壇にはヒマワリやマリーゴールドが色鮮やかな花を咲かせています。人目につかない夜間の水やりを偶然撮影され、ネット上では「日中に給水して(植物が)蒸されるのを防ぐために、ちゃんと陽が落ちてからお水をあげているあたり、お花の好きな方かそういった方がお近くにいらっしゃるのでしょうね」と評価する声もありました。また、ビッグモーターと対照的な行いに「アレの後だから、好感度5倍」「これが本当の意味での環境整備」とたたえるリプライも寄せられていました。