柴犬の散歩中、飼い主が見知らぬ犬に噛まれ救急搬送→その後、下痢が続いた愛犬…なぜ?「親思いの子だね」

はやかわ かな はやかわ かな

さすけくんは9歳になる柴犬の男の子。5歳の時に迎えられた元保護犬で、飼い主さんいわく、「なでられるために生きているような、甘えん坊で心優しい大きめの柴ワン」なのだそうです。

そんなさすけくんが、お腹を壊すほどショックを受けた今回の事故について、さすけくんちのお母さんに詳しく伺いました。

「さすけが噛まれなくて良かったんだ」

ーーご主人の連絡で奥さんが現場にかけつけ、状態を判断して救急に連絡されたそうですね。

「はい。救急隊から、犬に噛まれた場合は救急車と同時に警察も出動しているので、奥さんは警察の到着をここで待っていて下さいと言われ、私はさすけと現場に残りました」

ーー救急搬送されるご主人を見ていたさすけくんの様子は…?

「現場は田んぼ道だったのですが、車の通りもあったため、まずは私が運転してきた車に乗せました。車内から終始、様子を見ているようでしたが、不安そうでした。警察の方にはなでられていました」

ーー獣医さんの診断について、ご主人は何かおっしゃってましたか?

「『お父さんのことを心配してくれてたのか。大丈夫だよ。さすけが噛まれなくて良かったんだ』と、話していました。さすけは主人が襲われている間も暴れなかったようで、『よほど怖かったんだろうなぁ』と言ってました。

実はさすけは生まれつき声帯に障害があり、ウーッとうなることは出来ますが、ワンワンと吠えることが出来ないんです。自分が吠えて威嚇してお父さんを守りたかったけど出来なかった……もしかすると、それもさすけには大きなストレスだったのかもしれません」

疑問しかない「加害側の飼い主の反応」

ーーその後、当該「飼い主」から謝罪は…?

「謝罪の電話はありました。治療費と折り菓子も頂きましたが、私が現地に到着して、『飼い犬が人を噛んだ場合は保健所に連絡して頂くことになるのでお願いしますね』と言うと、『連絡しますよ!治療費は全部、ウチでもちますから!救急車でも何でも呼んで下さい!』と強い口調で言われました。

私たちの親世代くらいの年配の方だったので、気が動転しているのかと考え、主人を救急搬送してもらった後、一旦話題を変えて落ち着かせようと、犬の躾について話をすると、気持ちが落ち着いてきたらしく、本当に申し訳ないことをしてしまった、ご家族に怒鳴られると思った、自分が転ぶのが怖くてリードを離した、などと話し始めました」

ーー反省はしていた…?

「後日、うちの犬が神経性の下痢になった話をしましたところ、『ああ、そうですか。あの時、ご主人が抱き上げてたのにストレスがかかったんですね。はいはい、わかりました』といった返事で、謝罪はしてもらいましたが、反省はしてないように感じました。そもそも反省するような方なら、自分の命に代えてでも飼い犬のリードを離さないと思いますし、残念です…」

ーーご主人は今回のことを「名誉の負傷」とおっしゃっているそうですね。

「さすけは我が家にとってかけがえのない存在です。先代犬を亡くした後、ペットロスで私が体調を崩した時、保護犬サイトを通してさすけと出会い、さすけを迎えて数日で私の体調は改善しました。子供たちも独立し、普段は主人と2人暮らしですが、さすけのお陰で夫婦仲もうまくやれているのだと思います。さすけのために犬用の蚊除けを探したりテントを張ったり……そんなことも幸せです」

適切に管理・飼育出来ないなら「犬を飼わないで」

犬を飼うということは、犬の命と安全を最後の時まで責任を持って預かり、他人や社会に迷惑をかけないようしっかりと犬を管理し、適切に飼育すること。それが犬の飼い主としての責務です。

「自分の子供なら、手を離れてからも社会や学校などで迷惑をかけないように、他人の気持ちを考えられるように、教え育てます。犬も同じで、子育てと同様に、甘やかしてばかりではなく、その子が他の犬や人間とコミニケーションが取れるように、飼い主は懸命に努めます。

それができないなら、犬を飼うべきではないと思います。子供が親を見て育つように、犬も飼い主をちゃんと見ています。そして何より、飼っている犬を制御できる体力が自分にあるかどうかも、きちんと考えてから飼ってほしいです」(さすけくんの飼い主さん)

文字通り、命懸けで愛犬を守ったご主人と、そんな飼い主さんを”お腹を壊すほど”心配していたさすけくん。飼い主さん思いのさすけくんのように、犬は賢く、家族や仲間を思いやる心優しい動物です。そんな犬の特性を生かせるかどうかは飼い主次第、なのかもしれません。

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