もし誤認逮捕されたら…警察に賠償請求はできる?弁護士に聞いた 大阪府警が誤って無関係の男性を42日間勾留

小森 有喜 小森 有喜

大阪府警が、20代の男性を脅迫などの疑いで誤って逮捕していた問題。男性は一貫して容疑を否認していたが、計42日間勾留された。府警は男性に謝罪したが、SNSでは「謝って済む問題じゃない」と、捜査体制を批判する声が強まっている。万が一誤認逮捕された場合、警察に対して損害賠償などを求めることはできるのか?Authense法律事務所(東京)の高橋麻理弁護士に聞いた。

事件については今年4月、知人女性に危害を加えるようなメッセージを送ったなどとして、守口警察署が男性を脅迫と強要未遂の疑いで逮捕。さらに翌月、女性のわいせつな画像を別の知人に送ったとして、リベンジポルノ防止法違反の疑いで再逮捕した。処分保留で釈放された後、メッセージや画像は別の人物のアカウントから送信された「なりすまし」によるものだったことが判明。府警は今月10日、誤認逮捕だったとして男性に謝罪した。

高橋弁護士によると、男性が取り得る手段は大きく分けて2つある。一つは「国家賠償法」に基づいて請求するという手段だ。ただし、捜査の過程に「故意又は過失によって違法に他人に損害を加えたとき」といえる事実関係がある場合に限られ、「誤認逮捕が認められたからといって必ずしも慰謝料を受け取れるとは限りません」とする。

もう一つの方法は、法務省訓令の「被疑者補償規程」に基づく請求。不起訴裁定主文で「罪とならず」または「嫌疑なし」とされた場合などに手続きが行える。

規程によると、抑留・拘禁された1日につき1000円〜12500円の補償金が交付される。では金額はどう決まるのか。条文では、拘束の種類及びその期間の長短▷本人が受けた財産上の損失▷得るはずであった利益の喪失▷精神上の苦痛その他一切の事情ーを考慮するといった文言があり、これらを総合的に判断して補償金額が決まるという。

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