夏のボーナスが支給されたみなさん、どのように使う予定ですか? これまで頑張ってきた自分へのご褒美や、家族の楽しみに使いたいけれど、将来に備えて貯金に回す必要を感じている人も多いでしょう。実際、どれくらいの金額を貯金にあてるべきなのでしょうか。FPの立場から、ボーナスを有効に活用するための方法や注意点、おすすめの運用方法について解説します。
ボーナスの平均支給額はいくら?
ボーナスは、一般的に夏(6~8月)と冬(10~12月)の2回に支給する企業が多いですが、なかには年3回という企業もあります。
厚生労働省の「毎月勤労統計調査(2022(令和4)年9月分速報)」によると、2022年の夏季賞与(2022年6月~2022年8月の「特別に支払われた給与」のうち、賞与として支給された給与を特別集計したもの)は、賞与支給のある事業所における一人当たり平均では、前年比2.4%増の389331円でした。また、賞与支給のある事業所に雇用される労働者の割合は、前年差1.1ポイント増の80.4%となっていたそうです。
業種によって支給額は大きく異なりますが、基本給の1〜1.5カ月分の金額がボーナスとして支給される企業が多いようです。
一番多いボーナスの使い道は?
一般的に、ボーナスの使い道は何が一番多いのでしょうか?
Pontaカードを運営する、株式会社ロイヤリティマーケティングの「第55回Ponta消費意識調査」による2022年の冬のボーナスの使い道のアンケートをもとに見てみましょう。
ランキングによると9年連続で「貯金・預金」が1位となり、全体の37.3%を占めました。続いて2位が「旅行」、3位が「特にない」という結果でした。
貯金をするという方が圧倒的に多く、次に旅行や食べ物などで少しプチ贅沢をして楽しむ方、特にまだ決めていない方などが続いていますね。
ランキングにはありませんが、仕事のキャリアアップや学びなおしの為の自己投資や大切な方へのプレゼントなど、人それぞれ様々な使い道を考えていることでしょう。
ボーナスのうち何割貯金すればいいの?
前出のロイヤリティマーケティングの「Ponta消費意識調査」から支給されるボーナスのうちどの程度貯金したいかを見てみると、25~50%未満が29.5%と一番多い結果でした。
75%以上という方も28.9%であり、多くの方が将来に備えての貯金を考えていることがわかります。
さて、ボーナスのうち何割くらいを貯蓄に回すべきなのか?には、正解はありません。
年齢によって将来控えているライフイベントなどが変わり、貯蓄をする目的もそれぞれ異なります。
たとえば、現在20代で結婚を考えている方は準備資金を、30代は子供の教育資金やマイホームの購入資金、40~50代は老後資金などです。
それぞれのライフイベントを意識し、ボーナスの貯金の割合などを決めるのもいいでしょう。
「35歳までにマイホーム資金を〇〇万円貯める」「結婚資金のため、2年後までに〇〇万円貯めたい」など具体的に目標設定をし、マネープランを立てることもおススメです。
貯蓄する目的がまだハッキリしない方はまず、ボーナスの50%を貯蓄に回し、状況に応じて増減させてみてはいかがでしょうか。
避けた方が良いボーナスの使い方とは?
ボーナスを有意義に使うためには、下記のような使い方は避けましょう。
▽生活費を補填する
給与とは別に、まとまった金額が支給されるため、日々の生活費の補填やカードの利用代金などに充てたくなる方もいるかと思いますが、生活費はできるだけ毎月の給料でやりくりしましょう。
毎月の給料でやりくりが出来ていない場合は、収入と支出、貯金のバランスが生活に合っていない可能性があるので見直す必要があります。
▽生活費用の口座に入れたままにする
生活費用の口座に入れたままにしておくと、いつの間にか生活費で消えていくことも考えられます。口座の残高に余裕があると、つい気が大きくなってしまうこともありませんか? 何に使ったかわからないけど、いつの間にかボーナスがなくなってしまっては有効な使い道とはいえません。
ボーナスは、支給されたらすぐに生活費用口座とは別にしておきましょう。
▽衝動買いをする
ボーナスが入り、使い道がまだ決まっていない状況だと、つい気が緩んでしまい、衝動買いをしてしまうことにもなりかねません。衝動買いは勢いに任せて購入してしまい、その後使わなくなることもありえるので、避けた方がいいでしょう。
高額な家電製品やブランド品など、生活に必要な物やボーナスの記念・自分へのご褒美を考えている場合は十分に検討し、計画的に購入しましょう。
ボーナスの貯金分の活用法は?
ボーナスから貯金分へ回す分は、長期に使う予定のない資金であれば投資などの運用もおすすめです。
低金利の現代は、普通預金や定期預金へ預けていてもほとんど利息が付かないのが現状です。
使う時期が決まっている場合やすぐに引き出す可能性があるものは、預金が向いていますが、老後資金や教育資金などもう少し使う時期が先の予定の場合は、NISAやiDeCoなどを活用して運用してみるといいでしょう。
長期投資により、リスクが分散され時間を味方につけることができるほか、NISAの非課税制度やiDeCoの税制優遇を活用した運用で、効率的にお金を増やせる可能性があります。
現在のNISA制度は2023年度で終了し、2024年度からは新・NISAとなり、内容が大きく変わります。
上限額も拡大されるので、さらに資産運用に活用しやすくなります。
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ボーナスは、会社員など働く方にとって半年に一度の楽しみです。
「何となく生活費やプチ贅沢に使っていたら無くなってしまった…」「とりあえず貯金しておこうかな」となる前に、大切に活用する方法を考えてみませんか?
じっくり使い道を検討することで、貯金を増やすチャンスにも、有意義に使って仕事を頑張るためのモチベーションを上げることにもつながるかと思います。
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弊社FPオフィス「あしたば」では、初心者でもわかりやすいマネーセミナーの実施、ひとりひとりに合わせたマネープランづくり、長期分散つみたて投資を軸とした資産運用のサポートを得意としています。ご自身の将来のお金について真剣に考えてみませんか?ぜひお気軽にご相談ください。
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