まさに「生まれたての子鹿」! 奈良で出産直後の鹿の親子を目撃 プルプル震えながら立とうとする子鹿に「頑張れ!」の声続々

渡辺 陽 渡辺 陽

動物園で動物の赤ちゃんのお披露目があることはありますが、出産シーンを間近で見られるのは珍しいことではないでしょうか。今朝、奈良県で生まれたのは…。

春日大社は、「先ほど子鹿の誕生がありました」と、ツイッターに動画を投稿。「生まれたのは、回廊の南側、桜門の近くです。御本殿特別参拝の順路にもなっている人目につく場所なので、この場所での出産は珍しいと思います。(ものすごい人だかりになっていました。)無事に生まれてきて良かったです!」と続けました。

動画を見た人からは、

「おめでとうございます!健康にすくすく育ちますように」
「おめでとうございます。これが、よく比喩に使われる『産まれたての仔鹿』ってやつですね」
「毎回思うけど、馬も牛も鹿も、生まれた瞬間から立つって本当にすごいことだと思う」
「神秘的ですね!健やかな成長をお祈りします!」

など、お祝いの言葉がたくさん寄せられ、「いいね」は1.9万件にもなっています。

春日大社によると、「子鹿が生まれた」とすぐに「奈良の鹿愛護会」に連絡。母子の見守りをお願いしたそうです。

「奈良の鹿愛護会」にお話を伺いました。

ーー母鹿と子鹿はどうなりましたか。

「母鹿の気が立っていたり、母子の体調が優れない場合は鹿を誘導して鹿苑(ろくえん)というところで世話をするのですが、収容されていないので元気なのだと思います」

ーー普通は、人目につくところで出産しないのでしょうか。

「毎年、今回のように自然の中で出産する鹿も30頭くらいいます。東大寺の裏や春日大社のシダのところに身を隠して、人目につかないところで出産します。通常、妊娠した母鹿は鹿苑に集めて、ここで出産してもらいます」

「今年は5月下旬に生まれた鹿がいましたが、だいたい6月中旬から下旬がベビーラッシュです。その後、子鹿が成長したら、2回に分けて公園デビューさせます。第1回目が7月19日くらい。2回目はその1週間後です。公園にデビューしてからも母鹿と子鹿は一緒にいて、群れで行動します。今年収容した母鹿は165頭。子鹿は今までに100頭くらい生まれました」

ーー子鹿は生まれたばかりでも頑張って立つのですね。

「生まれてから15分〜20分で立ちます。1カ月は母乳を飲み、窪地みたいなところで暮らすでしょう。母鹿が食べているのを見て、3週間くらいしたら自分で餌を取るようになります」

ーー母鹿と子鹿を見かけた時に注意することはありますか。

「子鹿の死亡率は高いと言われていますが、母鹿は甲斐甲斐しく世話をします。母鹿は子鹿の匂いで我が子がどうか判別して授乳するので、人の匂いがつくと母鹿が判別できなくなって世話をしなくなることがあります。ですから、絶対に触らないでください。もし見かけることがあっても、離れて温かく見守ってください。触るとか捕まえるということはしてはいけません。奈良県も、子鹿に近づくと、この時期の母鹿は命がけで向かって攻撃して来ますとPRしています」

母鹿の横で立ち上がろうとしては、よろよろと転けてしまう子鹿。周囲からは「あ〜」とため息が漏れましたが、その後、すぐに子鹿は自力で立ち上がり、母鹿は子鹿を舐めてあげていました。他の子鹿たちも無事に育ちますように。

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