「レシピを見て作ったはずなのに、全然おいしくない」「前回と同じレシピで作ったのに味が違う」。そんな経験を繰り返す度に「自分は料理に向いていない」と苦手意識が増すばかり。そんな気持ちを払拭し、料理への意識を高めてくれる一冊が登場しました。
『なんかおいしくないので料理をおいしくするコツ知りたいです!』小田真規子・監修、ノグチノブコ・漫画(インプレス)というマンガがメインという異色の料理本です。
同書は「調理のコツ」を学ぶことに特化した内容で、単なるレシピ本ではありません。そして、本書で紹介される「コツ」が今すぐマネできる簡単なものばかり。例えば「表7割、裏3割の感覚で焼けば、お肉も皮パリジューシーに」「失敗の多い炒め物は、重ねて焼いてから炒める」など、マンガでさらっと料理のコツを学ぶことができます。
料理が上手くなる近道は「コツを知ること」
ネットを検索したりレシピ本をめくれば、おいしく料理を作れるレシピは見つかります。一方、どんなに簡単なレシピをマネしても、「レシピを見て作ったのに失敗する」「前回と同じレシピで作ったのに味が違う」「レシピ通り作ったのに肉や魚は半ナマ」など、なぜかおいしく作れないこともしばしばあります。
同書いわく「料理が上手くなる近道はレシピを覚えることでなく、料理のコツを知ること」。具体的には、「焼く」「炒める」「煮込む」の3つのカテゴリーごとに「コツ」があり、それさえつかめば料理はおいしくなるそうです。
誰でも簡単に真似できる「表7割、裏3割」
それぞれの料理の「コツ」は以下の通りです。
【焼く】表7割、裏3割の感覚で焼く!
【炒める】食材は重ねて2分焼き、炒めるのは1分!
【煮込む】炒めてから煮込んで蒸らす!
たったこれだけなのですが、果たして本当においしくできるのでしょうか。本書には「無意味な調味料集めはお金のムダよ!!」「味は調味料で決まるんじゃない」とも表現されています。【焼く】を究める上で、「おいしく焼く」ためにさらに6つの「コツ」をマスターすべしと紹介されています。
【おいしく焼く6つのコツ】
1.フライパンを温める
2.食材と油をなじませる
3.片面の焼き時間は7割
4.触らずにじっくり焼く
5.余分な脂を軽く拭き取る
6.裏返して残り3割を焼く
料理している間はつい慌てたり、準備をし損ねたりしがちです。「タイマーをつける」などの対策をすることで、おいしく焼く6つのコツを守ることができ、誰でも簡単においしい料理ができると本書では説いています。
これまでの失敗がウソに思える!
料理が苦手な人は、そもそも雑だったり、面倒くさがりだったりする傾向があるかもしれません。同書はそれを前提にしているのか、とにかく「細かくなく、面倒くさくなく、簡単に美味しく料理を作るコツ」を紹介。
おいしい料理をつくるには、高い調理器具もセンスも一切必要ありません。ちょっとした「コツ」を知り、実践するだけで、これまで失敗していたのがウソのように思えるほど、おいしい料理がつくれるようになります。
料理に苦手意識を持つ人に読んでほしい一冊ですが、料理好きの人にとっても有効です。誰かに料理を教える際にはこの本の内容が参考になるでしょう。