ツバメは夏の渡り鳥、夏鳥と呼ばれています。毎年3月〜7月には九州から順に関東、東北、北海道へと北上して営巣し、子作りをします。ツバメは粘土質の泥と藁を使って巣を作るのですが、雨風に弱く、壁が滑りやすい材質だと落ちてしまうこともあるそうです。
「2週間ほど前、会社通用口に作られたツバメの巣が落ちました。鳥に興味のない社員がすぐにダンボールに巣を入れ高い脚立の上に乗せてくれたそう。ついに本日ヒナが姿を見せてくれました。思わずスマホで撮ってしまいました」とツイッターに投稿したのは、YUIさん(@Yui92952255)。
一度は落ちてしまったツバメの巣ですが、心ある社員のおかげで無事ヒナがかえったので、
「鳥に興味なくてもいい!行動力を評価すべし!ミニボーナスを!!!」
「安心して子育てが出来たんですね。ステキな会社ですね」
「きっとツバメの恩返しがあります!」
という声が相次いで寄せられました。
YUIさんにお話を伺いました。
ーー巣が落ちてしまったのですか。
「毎年この場所に巣を作るのですが、今までも何度か落ちています。今年の巣は見た感じでは例年よりもしっかり作られているように見えほっとしていたのですが、台風の影響による風雨に耐えられなかったようでした」
ーー普段、野鳥に関心のない人が作ってくれたのですか。
「はい、20代の男性社員です。野鳥に特に興味はないけれど、生き物は好きだということでした。鳥といえば養鶏に携わっていたとのことでしたが、ツバメとは全く関係ないと笑っていました。地面に設置すると外敵に襲われたり親鳥が困惑するのではないかと考え、脚立の上にダンボールを設置したとのことです。ネットとかで調べたわけではなく自分で考えたそうです」
ーーツバメはすぐに巣を使ってくれましたか。
「ヒナたちのためひっきりなしに親鳥が給餌にやってきていました」
ーー写真で顔を見せている2羽は、ヒナですか。
「この2羽はヒナです。清掃の方が毎日観察していて教えてくれたのですが、実は6羽ヒナがいて4羽が数日前に無事巣立ちしたということでした。この2羽が最後だったようです」
ーー巣立ったらどうなさいますか。
「ツバメはヒナが巣立ってしまえばもうその巣を利用しません。ただ毎年この場所に巣を作ってくれているのですが、今回ヒナたちの命を的確に救ってくれたことで、これからも連綿とこの場所で命が受け継がれていくことを期待でき、嬉しい限りです」
もうそろそろツバメのシーズンも終盤に近づきつつありますが、来年また、日本にたくさんのツバメがやってきて、夏の訪れを告げてくれるといいですね。